新年からシェリー三昧!神戸の名店「Bovin」でピノ・ノワールと焼肉をキメる

昨年12月、友人のKJが経営するバー「Matey Log」でラムのイベントがありました。私も当日は少しだけお手伝いをしたので、そのイベント成功の打ち上げをやろうということで、スタッフも交えて焼肉に行くことにしました。
焼肉に行く前に、新年の恒例行事である十日戎(とおかえびす)でのお詣りを行います。目指すは、JR兵庫駅近くにある柳原えびす(柳原蛭子神社)です。
柳原えびすでお詣り
JR兵庫駅で16:00にKJと待ち合わせの約束をしていたのですが、ちょうど兵庫駅に着いたあたりでKJから、「二度寝してしまって今起きました!」とLINEが届きました。
新年早々から大遅刻をかました愚か者への返信を冷淡に済ませて、兵庫駅で待つことにします。
十日戎について
十日戎は名前の通り、七福神の恵比寿(戎)様を祀ったお祭りです。
恵比寿様は商売繁盛の神様ですから、みなさん「仕事や商売がうまくいきますように」とお詣りしに行くわけですね。恵比寿様にお詣りをして、縁起物の福笹や熊手を買い、自宅やお店・事務所などに飾ってご利益を願います。
さて、日本には3大えびすと呼ばれる神社があります。
【日本三大えびす】
・西宮神社(兵庫県)
・今宮戎神社(大阪府)
・恵美須神社(京都府)
三大えびすが全て関西にあるのと、そもそも関東には恵比寿様を祀った神社自体が少ないので、関東の方にはあまり馴染みがないイベントなのかもしれません。
開催期間は1月9日〜11日の3日間です。9日は「宵戎(よいえびす)」、10日は「本戎(ほんえびす)」、11日は「残り福」と呼ばれます。
十日戎の起源には諸説あるようですが、「豊臣秀吉への密かな信仰」から始まったというのが有力な説のようです。
徳川家康によって滅ぼされた豊臣家。商売や立身出世のシンボルとして豊臣秀吉を崇拝する大阪近郊の人々が、隠れて信仰するにあたって秀吉護神象の代わりに恵比寿様を祀ったのが始まりとのことです。
KJの偽装工作
十日戎の起源に思いを馳せているうちに、時刻は金曜日の16:30。混雑するのがイヤで16:00集合にしたにもかかわらず、KJ遅刻のおかげで徐々に人が増えてきました。
遅刻の罰に(屋台で貝のつぼ焼きとビールを奢らせてやる)と心に誓ったその時、目を疑うほど髪ボサボサのKJが走ってくるのが見えました。おそらくボサボサの髪は「セットする間もなく家を出ました!」アピールのため、到着直前にタクシーの中で偽装工作したのだろうと思いますが、そこは触れないのが優しさというものです。
ワンピースのサンジは「女のウソは許すのが男だ」と言いましたが、男のウソも許してやるのが真の男というものです。
牛カップルとツブ貝の壷焼き
柳原えびすまでの道のりにはたくさんの屋台が出店されており、多くの人で賑わっています。私は歩くのが速く、自分のペースで歩けない人混みが苦手です。前を歩く遅い人のかかとを蹴ってしまうことがよくあるからです(もちろん故意ではありません)。
この日も私の前を、商売には縁もゆかりもない(であろう)、十日戎を縁結びのイベントと勘違いしている(であろう)カップルが、国会議員の牛歩戦術かと目を疑うほどのスピードで歩いていました。
いつものごとく私は女性の方のかかとを蹴ってしまい、女性が「イタっ」と声をあげました。即座に「すみません」と謝りましたが、オス牛の方は自分たちの歩みの遅さを棚に上げて私を睨みつけてくる始末です。
彼らはきっと十日戎が何なのか知りもしないでしょうし、震災の鎮魂のために開催される神戸ルミナリエですら、恋人たちのイベントだと勘違いて牛歩戦術を行なうのでしょう。そして私は今年も、このような人々を勝手な思い込みで蔑みながら暮らしていくのでしょう。
牛カップルを抜き去り、人ごみをすり抜けて一目散に神社へと向い、お詣りを済ませておみくじを引きます。私もKJも2年連続の大吉だったので、2人とも商売がうまくいくに違いありません。頼むよ恵比寿様!
そして先ほど立てた新年の誓いを果たすべく、ツブ貝のつぼ焼きとビールをKJにごちそうしてもらい、三宮のシェリーバーへと向かいました。

【Bar うさぎ】でシェリーを楽しむ
この日は無性にシェリーが飲みたい気分だったので、焼肉の前に神戸・三宮でシェリーが楽しめる「Bar うさぎ」さんで食前酒を飲むことにしました。
「Bar うさぎ」さんは、シェリーのプロフェッショナル資格「ベネンシアドール」をもつ女性店主さんの接客が心地よいバーで、シェリーのラインナップも豊富です。
シェリーってなんぞや?という方は、下の記事で詳しく解説しています。

乾杯は「ロマテ アモンティリャード NPU(サンチェス・ロマテ)」

乾杯は、サンチェス・ロマテの「アモンティリャード NPU」です。ロマテは私が最も好きなシェリーメーカーで、新年一杯目のシェリーがこれというのは嬉しかったです。香ばしいナッツやドライプラムの香り、ふくよかでリッチなコクが楽しめます。
名前の「NPU」とは「Non Plus Ultra」の頭文字で、「これ以上はない=最高」の意味です。
地中海の西端にあるジブラルタル海峡。ギリシャ神話によると、ヘラクレスが大地を裂いて造ったと言われています。そのジブラルタル海峡を結ぶスペイン側・アフリカ側の二つの岬は「ヘラクレスの柱」と呼ばれ、昔はそこから西の先には何もない「この世の果て=ノン・プリュ・ウルトラ」とみなされていました。
このことから、ノン・プリュ・ウルトラの意味が「この先は何もない → これ以上はない → 最高」と転じて、このシェリーの名前にも使われています。
なんと強気なネーミングなのでしょう。その名に恥じず、素晴らしい味わいでした。
ゴンザレス・ビアス「レオノール・パロ・コルタド」

続いて、ティオ・ぺぺでおなじみのシェリーメーカー「ゴンザレス・ビアス」のシェリー、「レオノール・パロ・コルタド」を出していただきました。
シェリーは、極甘口・甘口・半甘口・辛口など合わせて10種類あります。中でもパロ・コルタドというタイプは、希少なスペシャルタイプで、絶妙にバランスが取れた風味をもつ辛口シェリーです。
シェリーを勉強中のKJにあれこれレクチャーしながら、堪能しました。
パロ・コルタドは、どのメーカーのものを選んでも素晴らしい味わいです。飲んだことがない方は、ぜひ一度飲んで見てください。
クリーム2種飲み比べ
いい感じに酔いが回ってきたところで、KJがまだ飲みたそうにしていたので、1杯出してもらうことにしました。

甘口タイプのシェリー「クリーム」をオーダーしたKJに対して、店主さんが粋な計らいで2種類のクリームを出してくれました。これは(勉強してね)というエールですね。
「ミカエラ・クリーム」と、「オズボルネ・サンタマリア・クリーム」。どちらかと言えば、ミカエラの方は甘さ控えめで、オズボルネの方は濃厚な甘さがあります。高いレベルで味のバランスが取れているのはオズボルネの方だと感じました。
家飲みをする方は、クリームを家に1本置いておくと重宝します。ワインだけでゆっくり飲むのに適していますし、普通のワインと違って開栓してから1ヶ月ほどは味が落ちませんので、なかなか優秀な家飲みアイテムだと思います。
シェリーを堪能したので、焼肉店に向かいます。
神戸・三宮ホルモンの名店【ホルモンバル Bovin】
今回の焼肉は、神戸・三宮の名店「ホルモンバル Bovin」さんです。KJのバーのスタッフも1人合流し、イベント打ち上げスタートです。
ホルモンバルBovinについて
Bovinさんは、とにかくお肉の質が良いです。店主さん自ら屠殺・解体したこだわりのお肉を出してくれるので、何を食べても美味しいです。
化学調味料たっぷりのタレをお肉にまとわせて供出するお店の多い中、Bovinさんはほぼ塩を打つだけで出してくれます。お肉本来の味・旨味が楽しめるので、焼肉好きの方はぜひ行っていただきたいです。

特筆すべきは、ホルモンの美味しさ・美しさです。神戸牛のお膝元である三宮は焼肉激選区で、数々の名店があります。その中でも、Bovinさんほど美味しいホルモンを出してくれるお店は無いと言っても過言ではありません。
さすが、ホルモンバルを謳うだけのことはあります。こんなに美しい色の新鮮なホルモンには、なかなかお目にかかれません。きっとお肉の処理が抜群に良いのでしょう。

ミステリアス・ディギングス ピノ・ノワール 2023 (テラ・サンクタ )
店主さんがソムリエの資格を持っているので、Bovinさんでは美味しいワインも飲めます。この日は、ニュージーランドのピノ・ノワールをチョイスしました。

ミステリアス・ディギングス
ピノ・ノワール 2023(テラ・サンクタ)
・生産地:ニュージーランド セントラル・オタゴ
・生産者名:テラ・サンクタ
・ブドウ品種:ピノ・ノワール
・ヴィンテージ:2023年
・アルコール度数:13.4%
・ボディ:ミディアム
ニュージーランドのピノ・ノワールは、十数年前から目覚ましい発展を遂げています。中でもセントラル・オタゴという地区は「世界三大ピノ・ノワール産地」にも挙げられるほど、品質が高いことで有名です。
また、生産者の「テラ・サンクタ」は、著名なワイン評論家からも高い評価を受ける生産者です。
一口飲むと、フレッシュでエネルギッシュなベリーの果実味が感じられます。若いピノ・ノワールにありがちな青臭い果実みではなく、熟したジューシーな果実味です。その奥に、甘草などのスパイスやモカ、スミレの花のニュアンスも感じられます。タンニンは驚くほど滑らかで、余韻が長く続きます。
個人的には、味わいの中にロマネ・コンティの生産者「DRC」が造るワインの片鱗を感じました(割合で言うと10%ほど…)。
ワインには、トップ生産者ともなれば「その生産者特有の風味」というものがあります。ロマネ・コンティの生産者にも特有の風味があって、それと似た風味がこのミステリアス・ディギングス ピノ・ノワールにも感じられたということです。
もちろん、値段が100倍ほど違うワインなので純粋に比較はできませんが、共通のニュアンスが感じられました。ブルゴーニュワインで、「DRC」や「プリューレ・ロック」などの生産者の味が好きな方は、ミステリアス・ディギングス ピノ・ノワールも気に入っていただけるのではないでしょうか。
お肉本来の味わいを楽しみながらワインを合わせるなら、こういうタイプがベストですね。とても美味しかったです。
まとめ
お肉とワインをたっぷり堪能した後は、KJのバー「Matey Log」に移動してシェリーとラムを飲んだくれて、翌日は安定の二日酔いでした。
最後に、この日飲んだワインをまとめておきます。
