レストランでのワインのマナーをソムリエが解説!接待やデートでのNG行為とは?

ぴのこ今度、会社の接待で取引先とフレンチレストランで会食することになったんですけど、皆様、ワイン好きの方々みたいなんです。私自身のワインのマナーがとても不安で…。
きむ取引先の方々に快適に過ごしてもらうには、ぴのこちゃんがワインのマナーを知っておく必要があるね!
しょうさんぴのこさんが接待を成功させられるように、ソムリエがレストランでのワインのマナーを伝授しましょう!接待やデートでの必須マナーやNG行為を詳しく解説しますので、これを読めば高級レストランでの会食も怖くないですよ!
レストランでワインのマナーはなぜ必要か
まず、マナーとは何か、きちんと定義しておきましょう。
【マナーとは】
人間関係の中で求められる行儀/作法。社会や集団の中で皆が快適でいるための振る舞い。
つまり、マナーとは、自分以外の不特定多数の人に対する配慮や思いやりを行動で表すことです。
レストランは、いわば「大人の社交場」です。大人の社交場では、自分さえ快適であれば良いという考えは通用しません。一緒に食事をする相手はもちろん、周りで食事をしている他のお客さん、レストランのスタッフ、全ての人々が快適に過ごせるように配慮する必要があるのです。
その配慮の一つが、ワインのマナーです。
ワインのマナーを知るメリット
レストランでのワインのマナーを知るメリットは、以下の通りです。
- そもそも大人の嗜みである
- ビジネスの会食・接待に有利
- デートを成功させられる(男性の場合)
①そもそも大人の嗜みである
メリット以前に、レストランでのワインのマナーを身につけるのは、そもそも大人の嗜みだと言えます。
大人になれば、仕事の会食や接待、デートなどでレストランを利用する機会はあるはずです。その時に、自分がワインに興味があろうがなかろうと、いい歳になった大人がワインのマナーを全く知らないのは恥ずかしいことだと言っても過言ではありません。
もし相手がマナーをきちんと理解している人だった場合、マナーを知っていることで成熟した大人であると認めてもらえるでしょう。反対に、マナーを知らないことでがっかりされることもあります。
②ビジネスの接待・会食に有利

ビジネスの会食・接待では、ワインが重要なコミュニケーションツールの役割を果たします。ワインを通じて会話が弾んだり、商談がスムーズに進んだりすることもあるでしょう。
ビジネスでの会食や接待の場合、もてなす側(=ホスト)ともてなされる側(=ゲスト)に分かれます。ホストの役割は、ゲストが楽しく快適な時間を過ごせるようにすることです。コースの選択からワインのセレクトまで、その会食の全ての責任を負うのがホストであり、ウェイターやソムリエはホストに仕えるために存在しています。
ゲストがマナーを知らなくても特に問題ありませんが、ホストはその会食の責任者なので、ワインのマナーを知っている必要があります。ワインのマナーを知っていることで、ゲストに満足してもらえるだけでなく、ゲストの手を煩わせることなくスムーズに会食を進めることができるのです。
ワインのマナーを身につけて、ホストとしてゲストが心地よく過ごすために立ち振る舞えば、ゲストも信頼感を抱いててくれます。取引相手として相応しいと感じてくれる可能性もあるでしょう。
③デートを成功させられる(男性の場合)
あなたが男性だった場合、レストランでのワインのマナーを知っていることで、女性から好印象を持たれる可能性が高くなります。
レストランデートにおいては、女性は男性のことを様々な視点で見ています。
- 女性をエスコート(=レディファースト)できる男性か
- 決断力があって女性をリードできる男性か
- 高級レストランの場で物怖じしない、自信がある男性か
- 周りに配慮ができる男性か
- TPOに応じた振る舞いができる大人の男性か など
ワインのマナーを知っていることで、上記のポイントはほとんどクリアできます。反対にマナーを知らないことで、女性から幻滅されてしまう可能性もあるでしょう。
【まずは知っておきたい】レストランでのワインの必須マナー
あなたがその会食のもてなす側(=ホスト)である場合の、ワインの必須マナーを紹介します。
- 予算の伝え方
- ワインの注文の流れ
- ワインを飲むタイミング
- ワインを飲む順番
①予算の伝え方
ホストはできる限り、その会食の予算を事前にレストランへ伝えておくのが望ましいです。「コース料理とワインを合わせて◯◯円」と、はっきり伝えておいて構いません。
また、ワインを何本くらい飲むのかなども、事前に伝えておくと良いです。ワイン1本に割ける予算が決まれば、あとはソムリエが予算内でベストなワインをセレクトしてくれるでしょう。
ぴのこもし、当日まで予算を伝えることができず、ゲストの目の前でワインをセレクトすることになった場合はどうすれば良いでしょうか。
きむまず、ゲストに聞こえる状態で、ソムリエに口頭で予算を伝えるのはスマートではないね。
しょうさんその場合は、ワインリストの値段の部分を指さしながらソムリエに見せて、「これくらいで料理に合うワインをセレクトしてください」と伝えればOKです。
②ワインの注文の流れ
【ワインの注文の流れ】
1. まずは食前酒
2. 料理を決める
3. ワインをセレクトする
レストランでは、料理のメニューが出される前にソムリエが食前酒をすすめてきます。食前酒を飲みながら料理を決めるのが、レストランの基本スタイルです。
次に、メニューを見て料理を決めましょう。予約段階でコースを決めていた場合、メイン料理のチョイスなどを決めることになります。コースを決めていない場合は、コース料理にするか、ア・ラ・カルト(単品)で好きなものを注文するか、ゲストやウェイターとコミュニケーションを取りながら決めます。
基本的にゲストには値段が書いていないメニューが出されているので、安心してください。ただ、ア・ラ・カルトで注文する場合は注意が必要です。値段が書いていないがゆえに、ゲストがとんでもなく高価な料理を選んでしまって予算オーバーする可能性もゼロではありません。
予算が決まっている場合は、予約時にコースも決めておくほうが無難です。料理が決まれば、その料理とゲストの好みに合わせたワインを、ソムリエと一緒にセレクトしていきます。
③ワインを飲むタイミング
ワインを飲むタイミングにも、マナーというかセオリーがあります。基本はソムリエがそのセオリーに沿ってワインを勧めてくれますが、ホストもある程度はそのセオリーを理解しておく方が良いでしょう。
以下は、一般的なコース料理の流れと、それぞれの料理に合わせるワイン&飲むタイミングのセオリーです。

・シャンパン=食前酒からデザートまで通して合わせることが可能
・あっさりした白ワイン=食事前のおつまみから前菜まで
・コクがあってまろやかな濃いめの白ワイン=温かい前菜から魚料理・肉料理まで(肉の種類による)
・赤ワイン=肉料理、チーズ
・甘口ワイン=チーズ、デザートから食後まで
・食後酒(ブランデーなど)=デザートから食後まで
このタイミングに合わせて、予算や会食の人数、ゲストがどれくらい飲むか、ゲストの好みなども考慮しながら、ワインを組み立てていきます。(もちろん、最近のコースは品数も多く、このようなシンプルなコースではない可能性もありますが…)
例えば、会食の人数と予算から、「ボトル3本」でコースを通さなければならないとします。このコースであれば、本来は「シャンパン1本、あっさり白ワイン1本、濃いめのこくまろ白ワイン1本、赤ワイン1本」でいきたいところですが、1本分オーバーしてしまいます。
そんな場合は、まずシャンパンで前菜①までいきます。その後、コクがある濃いめの白ワイン1本で魚料理まで通して、肉料理とチーズを赤ワインで。甘口ワインや食後酒に関しては、飲みたい人だけでグラスで注文すれば、どの料理にも過不足なくワインを合わせられる状態になります。
しょうさんもしくはシャンパンなしで、アミューズブーシュから前菜①までをあっさりめの白ワイン、前菜②と魚料理をコクのある濃いめの白ワイン、肉料理とチーズを赤ワイン、でもOKです。
きむゲストがシャンパンが大好きな方であれば、シャンパン2種類(2本)で魚料理まで合わせて、肉料理とチーズを赤ワインで楽しむなんてこともできるね!
このように、ワインを飲むタイミングが分かっていれば、ワインの組み立てを自分でコーディネートすることも可能です。あとは、ソムリエに任せてベストなタイミングでベストなワインを出してもらうだけです。
④ワインを飲む順番
上記の「ワインを飲むタイミング」とも少し重複する内容にもなりますが、ワインを飲む順番にもセオリーがあります。このセオリーも知っておくと、ワインのセレクトやソムリエとのやりとりもスムーズに進めることが可能です。
【ワインを飲む順番のセオリー】
・シャンパン → 白ワイン → 赤ワイ
・軽くあっさりとした味のワイン → 濃くて重いしっかりとした味のワイン
・辛口ワイン → 甘口ワイン
・若いワイン → 熟成したワイン
・リーズナブルなワイン → 高級なワイン
しょうさんレストランのコース料理は、基本的にメインディッシュで最高潮を迎えるように設計されています。ワインも料理同様に、徐々に盛り上がっていくようにコーディネートする必要があります。
きむ上記セオリーの逆をしてしまうと、後に飲むワインが物足りなく感じてしまうんだね。
ホストテイスティング

ホストテイスティングとは、その会のホストがワインの品質をチェックするために行なうものです。ソムリエがいるレストランでボトルワインを注文すると、ソムリエから求められます。
ホストテイスティングの手順は以下の通りです。
【ホストテイスティングの手順】
1. ソムリエがワインボトルをホストへ提示する
2. ホストは、自分が注文したワインに間違いないことを確認する(銘柄・ヴィンテージなど)
3. ソムリエがワインを抜栓し、テイスティングする
4. ソムリエがホストのグラスに、ワインを少量注ぐ
5. ホストはワインの外観・香りをチェックし、次に飲んで味をチェックする
6. 問題なければ、ソムリエに問題ないことを伝える(「大丈夫です」「お願いします」など)
7. この時、ワインの温度やグラスの形状など、提供方法について要望があればソムリエに伝える
8. ソムリエがゲストにワインを注ぐ
9. 最後にホストのグラスにソムリエがワインを注いで終了
レストランのソムリエは、ホストに仕える給仕です。「このワインをゲストの皆様に飲んでいただいて問題ないですか?」と、ソムリエがホストにチェックをお願いするのがホストテイスティングなのです。
また、ホストテイスティングの目的はあくまでワインの品質チェックであり、味が好みかどうかの確認ではない点に注意が必要です。ホストテイスティングでワインが口に合わなかったからといって、他のワインに交換してもらえる訳ではありません。
ワインに欠陥があった時は、ワインを無償で交換してもらえます。ただ、ワインの専門家でない方がホストテイスティングでワインの欠陥を見抜くのは、なかなか難しいでしょう。
上記の手順を見ても分かる通り、基本的にはワインを開けた時にソムリエがテイスティングをして、欠陥の有無をチェックしています。ソムリエが問題ないと判断してホストテイスティングに進んでいるため、ホストテイスティングはあくまで形式的なものとも言えるでしょう。
しょうさんちなみに、ホストテイスティングは辞退しても全く問題ありません。ソムリエから「ホストテイスティングをされますか?」と確認されるので、「結構です」と言っていただければ、ソムリエはそのままゲストからワインをサービスします。
【知らなきゃ恥ずかしい】レストランでのワインのNGマナー
マナーにおいて「何をするか」はもちろん大事ですが、「何をしないか」の方が大事だったりします。NGマナーを知ることで、周りを不快にさせないようにしましょう。
- 香水をつけすぎる
- 知ったかぶりをする
- ゲストにワインを選んでもらう
- 乾杯でグラス同士をぶつける
- ワインを手酌で注ぐ
- 口を拭かずにワインを飲む
- ワインを注いでもらう際にグラスを持つ・持ち上げる
- グラスのボウルの部分を持ってワインを飲む
- 音を立ててワインを飲む
- 激しくスワリングする
【番外編】飲み残しのワインを持って帰る
①香水をつけすぎる
レストランへ食事に行く時は、香水のつけすぎに注意しましょう。ワインは味だけでなく香りも楽しむ飲み物です。強すぎる香水の香りは、ワインの香りを台無しにしてしまいます。
ソムリエとしては、レストランでは香水は一切つけないことをおすすめします。これはご自身のためではなく、周りの人に対する配慮です。

②知ったかぶりをする
もしあなたが会食やデートでホストを務める場合、会食に備えて事前にワインのことを少し調べるかもしれません。
しかし、少しかじった程度の知識でワインをセレクトすることは、あまりおすすめできません。知ったかぶりをして誤ったワインをセレクトしてしまうと、ゲストの満足度は下がってしまうからです。
むしろ、ソムリエとのコミュニケーションを楽しみながら一緒にワインをセレクトしていくことが、レストランの楽しみ方だと言えるでしょう。料理とワインの相性を知り尽くしたプロのソムリエに任せた方が、ゲストの満足度は高くなるはずです。
③ゲストにワインを選んでもらう
「ゲストにワインを選んでもらうことが配慮である」と考え、ゲストにワインリストを渡して選んでもらうホストの方が結構いらっしゃいます。しかしこれは、全く配慮に欠けたNG行為です。ゲストは自分がその会食費を支払うわけではないので、どれくらいの価格のワインを選んで良いものか困ってしまいます。
ゲストに「どのような味のワインが好みか」「好きなワインはあるか」などを聞くのは素晴らしい配慮ですが、ワインを選ばせるのはマナー違反。あくまでホストがワインをセレクトするのが、レストランでのマナーです。
きむデートの場合でも、女性にワインを選んでもらうことがレディファーストにはならないからね。女性に一切の手間を取らせることなくワインをセレクトして喜んでもらうのが、真のレディファーストだよ!
④乾杯でグラス同士をぶつける
ワインで乾杯する時、グラス同士を「チン」とぶつけあうのもNG行為です。
特に高級レストランでは、高級なワイングラスを使用しているため、注意しましょう。高級なワイングラスほど薄く作られていて衝撃に弱く、強くぶつけると割れてしまいます。
ワインを飲むときの乾杯は、自分の目線あたりまでグラスを掲げる程度にします。

⑤ワインを手酌で注ぐ
レストランにおいては、ワインを手酌で注ぐのもNG行為とされています。周りから見ていてあまり行儀が良いものではありませんし、ゲストに注ぐときにこぼしてしまう危険性もあります。
レストランでは、ウェイターやソムリエがワインを注ぐのが基本です。彼らはグラスが空にならないように常に注意を払っているため、グラスが空になるまで気づかれないということはまずないでしょう。
しょうさんそれでも、ゲストや自分のグラスが空になってしまった場合は、ウェイターやソムリエに目を合わせながら空のグラスを軽く持ち上げてください。それだけで、「注いで欲しい」という意思表示が伝わりますよ。
きむお客様のグラスを空にしてしまうなんて、ソムリエとして無能すぎる。そんなソムリエしかいないレストランには、次回から行かなくていいね。
しょうさんコラ、やめなさい…
⑥口を拭かずにワインを飲む
料理を食べていると、脂分やソースが口に付きます。そのままワインを飲んでしまうと、グラスの飲み口の部分にソースや脂の跡がついてベタベタになり、あまり見栄えが良いものではありません。
料理を食べたら、ワインを飲む前にナフキンで唇を拭うようにしましょう。
⑦ワインを注いでもらう際にグラスを持つ・持ち上げる
ソムリエにワインを注いでもらう際、グラスを持ったり、持ち上げたりするのはNG行為です。ソムリエがワインを誤ってこぼしてしまった場合に、手にワインがかかって衣服を汚してしまう可能性があるためです。ビールのようにグラスを持ち上げたり傾けられたりすると、ソムリエはワインを注ぎにくいものです。
ソムリエがワインを注ぐ際は、持ち上げないし、グラスの台座部分(プレート)も手で押さえもしません。ワイングラスに手を触れないと覚えておいてください。

⑧グラスのボウルの部分を持ってワインを飲む

ワインを飲む時はステムを持つのが良いとされており、ボウルを持つのはNGです。
これには、手の温度でワインが温められて最適な温度でなくなってしまうため、グラスに指紋がついて見栄えが良くないため、グラスを手で覆ってしまうとワインの色が楽しめないためなど、様々な理由があります。
他にも、ステムを持つ方がスマートに見えるというのも理由の一つです。
きむ個人的には、あまり気にしなくて良いマナーかと思うよ。海外では、高級レストランであろうとボウル部分を持って飲む人は多いしね。ただ、「ステムを持つ方がスマートに見える」という点は同感だね。
⑨音を立ててワインを飲む
ワインを飲み慣れた方が、ワインを口に含んだ後に「ズズゥーッ」と空気を吸い込だり、「スルスルスル〜」と舌の上でワインを転がしたりする光景、見たことはありませんか?
これは、ワインを空気に触れさせて香りや味を開かせる「グリマージュ」という行為なのですが、レストランでするのはおすすめめしません。聞いていてあまり心地が良い音ではないため、ゲストや周りの人たちが不快な気分になる可能性があるためです。
そもそもグリマージュは、プロ(ワインの生産者やソムリエ)がワインの味を確認するときに行なうもので、普通にワインを飲むときには必要ありません。
どうしてもやりたい場合は、あまり大きな音を立てないようにしましょう。
⑩激しくスワリングする
ワインが注がれたグラスをくるくる回す行為を、「スワリング」と言います。スワリングの目的は、ワインを空気に触れさせることで香りが開かせ、味わいもまろやかにすることです。
ただし、レストランでの食事においては、激しくスワリングするのは控えましょう。勢いよく回しすぎてワインがグラスからこぼれてしまい、目の前の人や隣の人にかかってしまう危険性があるためです。
しょうさんスワリングすること自体は問題ないのですが、周りに人がいるときは注意しましょう。右隣に人がいる場合は反時計回り、左側に人がいる場合は時計回りに回せば、相手にワインがかかることはありませんよ。

【番外編】飲み残しのワインを持って帰る
最後はNG行為というわけではありませんが、番外編として。
ボトルで注文したワインの飲み残しを持って帰るのは、あまりスマートな行為とは言えません。特に高級なワインの場合は、ソムリエやシェフの勉強用に「よかったら飲んでください」と置いて帰るのがスマートです。
まとめ
レストランでのワインのマナーを知ることは、ゲストや周りのお客さんを不快にさせないための配慮であり、大人の嗜みです。
マナーを知ることで、レストランでスムーズなワインサービスを受けることができ、結果的にゲストだけでなく自分の満足度も上がります。ぜひワインのマナーを実践していただき、快適なレストランでの食事を体験してください。