ワインに合うチーズの種類は?相性やマリアージュのコツ&テクニックをソムリエが徹底解説!


ワインとチーズが大好きなんですけど、ワインに合うチーズが分からなくて…。

ぴのこちゃん、たまには自分で調べてみたらどうだい?今手に持っているそれ(スマホ)でね。

心優しいソムリエなら、知識を惜しみなく分け与えるものですがね〜。私がワインに合うチーズの種類を詳しく紹介しますから、安心してください。ソムリエならではの、ワインとチーズのマリアージュのコツ・テクニックも解説しますよ!

どうやら、私も全力で解説することになったようです。よろしくお願いします!
ワインに合うチーズの種類
チーズには、大きく分けてナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類があります。ワインに合うチーズとしては、ナチュラルチーズの方がおすすめです。
ナチュラルチーズ | プロセスチーズ |
---|---|
![]() | ![]() |
乳・バターミルク・クリームが原料。 それら単体、または混ぜたものを 乳酸菌や乳酸酵素で凝固させ、 ホエイ(乳清)の一部を除去したチーズ。 | ナチュラルチーズを加熱して溶かし、 再び固めて成形したチーズ。 |
熟成タイプと非熟成タイプがある。 熟成タイプは熟成によって味が変化する。 | 乳酸菌などの微生物が死滅しているため、 熟成によって味が変化することはない。 ナチュラルチーズに比べて長期保存に優れている。 |
乳原料(牛、羊、山羊など)や製法ごとに、 各国で多種多様なチーズが生まれており、 チーズごとに個性豊かで奥深い味わいが楽しめる。 | バラエティ豊かな形や食感、味わいがあるが、 チーズ自体の個性は控えめでシンプルな味わい。 |
コンビニやスーパーなどで手に入るプロセスチーズが、ワインに合わないわけではありません。ただ、ワインとの相性という点では、奥深い味わいのナチュラルチーズに軍配が上がります。

チーズに詳しくない私は、ナチュラルチーズとプロセスチーズをどう見分ければ良いですか??

商品パッケージの裏面にある成分表示表(一括表示)を見れば、一目瞭然です。日本で売られているチーズであれば、ナチュラルチーズかプロセスチーズか、きちんと記載されていますよ!
ワインに合うナチュラルチーズの種類には、以下のものがあります。
- フレッシュタイプ
- 白カビタイプ
- 青カビタイプ
- ウォッシュタイプ
- シェーブルタイプ
- セミハードタイプ
- ハードタイプ
①フレッシュタイプ

フレッシュタイプとは、原料の乳に乳酸菌や酵素を加えて凝固させ、軽く水分を除去したチーズです。非熟成タイプのチーズなので、味わいのクセはそれほど強くありません。
フレッシュタイプは、他のタイプのナチュラルチーズに比べて水分が多く、ヨーグルトのような酸味と爽やかな風味があります。どのようなワインにも合わせやすい、万能なナチュラルチーズと言えるでしょう。
【代表的なフレッシュタイプのチーズ】
・カッテージチーズ
・クリームチーズ
・ブリア・サヴァラン
・マスカルポーネ
・フロマージュ・ブラン
・モッツァレラ など
②白カビタイプ

白カビタイプは、チーズの表皮に白カビを繁殖させて熟成させたナチュラルチーズです。一般的には、固めて水分を抜いて成形したチーズの表皮に、白カビを噴霧して造られます。白カビの部分から、マッシュルームのようなキノコの香りが感じられるのが特徴です。
ナチュラルチーズの中でも比較的親しみやすい味わいの白カビタイプは、幅広いワインと美味しく合わせられます。白ワインならコクがあるまろやかなもの、赤ワインならミディアムボディあたりの辛口と合わせるのがおすすめです。
白カビタイプを購入するときは、「固形分中の脂肪量」に注目すると良いでしょう。

固形分中の脂肪量が60%以上の白カビチーズは、バターのようなクリーミーで濃厚な風味です。馬蹄の形をした「バラカ」や、脂肪量75%以上の「サンタンドレ」などがありますね。

ナチュラルチーズに慣れ親しんでいない方は、脂肪量が多い白カビタイプがおすすめです!ちなみに、有名な「カマンベール」や「ブリ」などは、脂肪量が40〜50%ですよ。
【代表的な白カビタイプのチーズ】
・カマンベール(フランス、ノルマンディ地方)
・クロミエ(フランス、イル・ド・フランス地方)
・ブリ・ド・モー(フランス、イル・ド・フランス地方)
・ブリ・ド・ムラン(フランス、イル・ド・フランス地方)
・バラカ(フランス、ブルゴーニュ地方)
・シャウルス(フランス、シャンパーニュ地方)
・ヌーシャテル(フランス、ノルマンディ地方)
・サンタンドレ(フランス、ノルマンディ地方) など
③青カビタイプ(ブルーチーズ)

青カビタイプは、その名の通り青カビを使って熟成させたナチュラルチーズで、ブルーチーズの通称で親しまれています。世界3大ブルーチーズの「ロックフォール」「ゴルゴンゾーラ」「スティルトン」などは、食べたことがある方も多いのではないでしょうか。
青カビタイプは、成形した後にカビを噴霧する白カビタイプと違って、固めて水分を抜いた後に青カビをまぶして成形して熟成させるのが特徴です。そうすることでチーズの内部に隙間ができ、青カビがその隙間に沿う形で繁殖するため、青カビタイプの断面は大理石のような模様になります。
青カビタイプは非常に個性的な風味で、塩味も強いため、合わせるワインが限定されます。濃厚なコクをもつフルボディの赤ワインがよく合いますが、なんと言っても甘口ワインとの相性の良さは別格です。
【代表的な青カビタイプのチーズ】
・スティルトン(イギリス)
・ゴルゴンゾーラ(イタリア、ロンバルディア州・ピエモンテ州)
・ロックフォール(フランス南部)
・フルム・ダンベール(フランス、オーヴェルニュ地方)
・ブルー・ドーヴェルニュ(フランス、オーヴェルニュ地方)
・ブルー・デ・コース(フランス南部)
・ブルー・ド・ジェックス(フランス、ジュラ地方) など
④ウォッシュタイプ

ウォッシュタイプとは、チーズの外皮を塩水やブランデー・ビール・ワインなどのお酒で洗いながら熟成させたナチュラルチーズです。
ウォッシュタイプのチーズは、外皮にリネンス菌を繁殖させて熟成させます。ただ、このリネンス菌は非常に分解力が強いため、定期的に外皮を塩水やお酒で洗うことにより、菌の活動を調整しながら熟成させるのです。
リネンス菌は納豆菌と同類の菌で、強烈な香りを発します。どちらかと言えば通が好む味わいのため、(ウォッシュタイプのチーズの香りが苦手)という方も少なくありません。しかし、このクセの強い風味をワインと合わせたとき、言葉にならないほど感動的なマリアージュが生まれます。
ウォッシュタイプには、濃厚な赤ワインや味が強い酒精強化ワインを合わせると良いでしょう。
外皮の味と香りがなかなか強烈なウォッシュタイプですが、中身はトロトロクリーミーでクセもさほど強くありません。皮の部分を避け、中身だけを食べても美味しいチーズです。

フランス産のモン・ドールも、中身だけを楽しむウォッシュタイプです。モン・ドールは、毎年9/10から翌年の5/10までしか販売されない限定チーズで、非常に素晴らしい味わいなので、ぜひ一度はワインと合わせて食べて欲しいですね!
【代表的なウォッシュタイプのチーズ】
・エポワス(フランス、ブルゴーニュ地方)
・ピエ・ダングロワ(フランス、ブルゴーニュ地方)
・ラミ・デュ・シャンベルタン(フランス、ブルゴーニュ地方)
・ポン・レヴェック(フランス、ノルマンディ地方)
・リヴァロ(フランス、ノルマンディ地方)
・マンステール(フランス、アルザス地方)
・モン・ドール(フランス、ジュラ地方)
・ラングル(フランス、シャンパーニュ地方)
・タレッジョ(イタリア、ロンバルディア州) など
⑤シェーブル

シェーブルとは、山羊の乳が原料のチーズのことです。表皮に白カビを植えつけたものや、表皮に炭をまぶしてあるものなど、バラエティ豊かなチーズがあります。
シェーブルは、造られてからどれくらいのタイミングで食べるかによって、大きく味が変わります。食べるタイミングによって違った風味が楽しめるのも、シェーブルの魅力と言えるでしょう。
肝心の味ですが、牛や羊の乳が原料のチーズに比べて酸味が強く軽やかで、食感は柔かめです。山羊のミルク独特の風味はありますが、チーズとしてのクセはそれほど強くありません。
フルーティーで酸味がきいた白ワインや、渋味が穏やかな軽めの赤ワインと合わせると良いでしょう。
【代表的なシェーブルチーズ】
・ヴァランセ(フランス、ロワール地方あたり)
・クロタン・ド・シャヴィニョール(フランス、ロワール地方)
・サント・モール・ド・トゥーレーヌ(フランス、ロワール地方)
・セル・シュール・シェール(フランス、ロワール地方)
・シャビシュー・デュ・ポワトゥ(フランス、ポワトゥ・シャラント圏)
・プーリニィ・サン・ピエール(フランス、ベリー地方) など
⑥セミハードタイプ

セミハードタイプは、プレスして水分を38%〜46%に調整したやや硬めのチーズです。味わいのクセが少ないため、ナチュラルチーズをあまり食べ慣れていない方にもおすすめできます。
穏やかにゆっくりと熟成が進むセミハードタイプは、美味しいタイミングが長く持続します。また同じチーズであっても切り方によって味わいが変わりますので、薄切りにしたりキューブ状に切ったり、色々と試してみるのも楽しいです。
セミハードタイプのチーズは、どんな種類のワインとも美味しく合わせられます。チーズ自体に香ばしいナッツのような風味も感じられるため、似た風味をもつ樽熟成の白ワインや、フルボディの赤ワインと合わせると良いでしょう。
【代表的なセミハードタイプのチーズ】
・カンタル(フランス、オーヴェルニュ地方)
・サレール(フランス、オーヴェルニュ地方)
・サン・ネクテール(フランス、オーヴェルニュ地方)
・フォンティーナ(イタリア、ヴァッレ・ダオスタ州)
・チェダー(イギリス)
・テット・ド・モワンヌ(スイス)
・ゴーダ(オランダ)
・サムソー(デンマーク) など
⑦ハードタイプ

ハードタイプは、セミハードタイプよりもさらに水分量が少ない(38%以下)、硬質のナチュラルチーズです。セミハードタイプの熟成期間が平均3ヶ月〜6ヶ月間であるのに対し、ハードタイプは平均6ヶ月〜10ヶ月間ほど熟成させます。それゆえ、濃厚な旨味をもつチーズに仕上がるのです。
細かく削ってパスタにかけたりと、料理に使われるイメージが強いハードタイプのチーズですが、そのまま食べてもワインの最高のお供になります。
基本的には、ハードタイプの凝縮された旨味にも負けない、濃厚な風味をもつパワフルなワインがよく合います。白ワインなら樽熟成させたシャルドネ、赤ワインならボルドータイプのどっしり重いワインなどがよく合うでしょう。
ただ、熟成期間が短いハードタイプは、わりとあっさりしています。その場合は、ワインも若々しいフレッシュなものを合わせる方が、相乗効果が期待できます。
【代表的なハードタイプのチーズ】
・コンテ(フランス、フランシュ・コンテ地方、ジュラ山脈一帯)
・ミモレット(フランス、フランドル地方)
・ボーフォール(フランス、サヴォワ地方)
・パルミジャーノ・レッジャーノ(イタリア、エミリア・ロマーニャ州)
・ペコリーノ・ロマーノ(イタリア、ラツィオ州、サルデーニャ州、トスカーナ州)
・グラナ・パダーノ(イタリア、エミリア・ロマーニャ州、ピエモンテ州、ロンバルディア州)
・グリュイエール(スイス)
・ラクレット(スイス) など
ワインにチーズを合わせるコツ・テクニック【初級編】

続いて、ワインとチーズを合わせるコツをソムリエが解説します。まずは初級編からどうぞ!
同じ産地(または国)のワインとチーズを合わせる
食べ物とお酒の相性を語るとき、「同じ産地のもの同士は相性が良い」というのは、もはや定説になっているのではないでしょうか。チーズとワインも例外ではありません。同じ産地同士のワインとチーズは、とても良いマリアージュになります。
特にウォッシュタイプのチーズにおいては、地元のワインで表皮を洗いながら熟成したものがあります。そのチーズの表皮を洗ったものと同じワインで合わせるというのは、なかなか粋な楽しみ方ではないでしょうか。

チーズと同じ産地のワインを用意するのが難しい場合は、同じ国のワインで合わせると良いですよ。

たとえば、パルミジャーノ・レッジャーノに赤ワインを合わせたいけど、同じエミリア・ロマーニャ地方の赤ワインが手に入らないから、イタリアの他エリアの赤ワインで合わせるなどですね!
穏やかな風味のチーズには、フレッシュ&フルーティなワインを合わせる
ナチュラルチーズは、タイプによって風味が穏やかなものもあれば、クセが強いものもあります。風味が穏やかなチーズには、フレッシュ&フルーティーな軽めのワインを合わせるようにしましょう。
軽い風味のチーズに濃厚なワインを合わせてしまうと、ワインの味の強さにチーズが負けてしまい、せっかくのチーズの美味しさが感じられなくなります。
クセの強いチーズには、濃厚でパワフルなワインを合わせる
反対に、クセや香りが強いチーズに軽いワインを合わせてしまうと、今度はチーズの風味にワインが負けて、ワインの味が台無しになってしまいます。
ウォッシュタイプや青カビタイプなどの個性が強いチーズには、それに負けない濃厚かつパワフルなワインを合わせるようにしましょう。
塩味の強いチーズには甘口ワインを合わせる
青カビタイプやウォッシュタイプ、ハードタイプなどの塩味が強いチーズには、甘口ワインを合わせるのがおすすめです。これは最も手軽なテクニックにもかかわらず、チーズとワインの相性としては最高クラスの美味しさを味わえると言っても過言ではありません。
特に、青カビタイプのチーズと、極甘口の貴腐ワインやポートワイン、ペドロ・ヒメネスというタイプの極甘口シェリーなどのマリアージュは、感動の体験となることでしょう。

ゴルゴンゾーラチーズが入った4種チーズのピザって、甘いハチミツをかけて食べるとすごく美味しくなりますよね?それと同じ理論です!


ワインにチーズを合わせるコツ・テクニック【上級編】

ここからは、やや上級者向けのテクニックをご紹介します!ややマニアックな内容になるので、(そこまで詳しく知りたくない!)という方は読み飛ばしてくださいね^^
同じ質感のチーズとワインを合わせる
チーズに硬い・柔らかい・トロトロなどの質感があるように、実はワインにも硬い・柔らかいなどの質感があるのをご存知ですか?
例えば、ミネラル分の豊富な白ワインは、噛めるような弾力を感じたり、やや硬い質感が感じられたりします。渋味が滑らかでエキス分が凝縮した赤ワインや糖度が高い甘口のワインは、トロッとした質感です。
このようなワインの質感と同じ質感をもつチーズを合わせることを意識すれば、チーズとワインの相乗効果は何倍にも膨れ上がります。

チーズと同じ香りをもつワインを合わせる
ナチュラルチーズは、熟成が進むことでミルクの香り以外の様々な香りが感じられるようになります。
例えば、熟成したハードタイプにはアーモンドやヘーゼルナッツのような香りがありますし、同じく熟成させた白カビタイプのチーズでは、表皮の白カビからキノコのような香りや胡椒の香りがすることもあります。
このチーズのもつ香りと同じような香りをもつワインを合わせると、素晴らしいマリアージュになるのです。
チーズとワインの熟成度合いに注目する
チーズもワインも、熟成によって味わいが向上します。両者とも熟成期間が長くなるにつれて、より複雑で奥深い味わいになるのです。
そこで、チーズとワインそれぞれの熟成度合いを揃えてあげることで、口の中でチーズとワインがスムースに溶け合ってくれます。
若くてフレッシュなワインを飲んでいる場合は、フレッシュタイプのチーズや、熟成期間が短い白カビチーズやシェーブルなどを合わせるのが良いでしょう。反対に熟成したワインを飲む場合は、熟成期間が長いハードタイプやウォッシュタイプのチーズを合わせるのがおすすめです。
ワインの種類ごとに合うチーズを紹介
最後に、ワインの種類ごとに合うチーズをご紹介します。この項を読んでいただければ、ソムリエ顔負けの「チーズとワインのマリアージュ職人」になれるはずです。
スパークリングワイン(シャンパン)に合うチーズ

スパークリングワイン(シャンパン)には、シンプルな味わいのフレッシュタイプ、マイルドでクリーミーな白カビチーズ、熟成期間が短いウォッシュタイプ、ハードタイプのチーズなどが良く合います。
反対に青カビタイプや、長期熟成されたウォッシュタイプのような味・香りともにクセが強いチーズは、あまり相性が良くありません。スパークリングワイン(シャンパン)の繊細な泡や旨味が、チーズの風味にかき消されてしまうためです。
ワインの種類 | 合うチーズ | 備考 |
---|---|---|
シャンパン | シャウルス(白カビ) ラングル(ウォッシュ) コンテ(ハード) ミモレット(ハード) | シャウルスやラングルなど同じシャンパーニュ地方 のチーズで合わせるのがおすすめ。 ハードタイプは熟成期間が長く旨味が強いものを。 |
スパークリングワイン | モッツァレラ(フレッシュ) クリームチーズ(フレッシュ) カマンベール(白カビ) ブリ(白カビ) ボーフォール(ハード) | シャンパンに比べて旨味が控えめなので、 シンプルな味わいのフレッシュや、脂肪量が少ない 白カビがおすすめ。 ハードタイプは熟成期間が短めのものを。 |

シャンパンなのか、スパークリングワインなのかで、合わせるチーズが変わります!特にシャンパンの方はキメ細かい泡、繊細な香り&旨味を台無しにしないよう、合わせるチーズは要注意です。
【スパークリングワインとシャンパンの違い】
シャンパン:フランスのシャンパーニュ地方で、伝統的な「瓶内二次発酵方式」で造られた発泡性ワイン
スパークリングワイン:シャンパーニュ地方以外で造られた発泡性ワインの総称
フレッシュ&フルーティーで酸味が強い白ワインに合うチーズ
キリッとした酸味のフレッシュ&フルーティーな白ワインには、フレッシュタイプ、セミハードタイプ、白カビタイプ、シェーブルがよく合います。
青カビ・ウォッシュタイプ・ハードタイプなどの味が濃厚なチーズを合わせると、白ワインが水っぽく感じられてしまうため、避けたほうが良いでしょう。
フレッシュ&フルーティーな白ワインのブドウ品種には、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、シャルドネ(樽熟成していないもの)などがあります。
ワインの種類 | 合うチーズ | 備考 |
---|---|---|
ソーヴィニヨン・ブラン | モッツァレラ(フレッシュ) シェーブル全般 | ワイン自体にハーブの香りがあるため、 モッツァレラにバジルとオリーブオイルを添えて。 フランス・ロワール地方のソーヴィニヨン・ブラン であれば、同地域産のシェーブル「ヴァランセ」など |
リースリング | セミハード全般 | ドライなリースリングは、ミネラル豊富で硬い質感 があるため、セミハードとの相性が良い。 特にテット・ド・モワンヌ、チェダーがおすすめ |
シャルドネ (樽熟成なし) | バラカ(白カビ) サンタンドレ(白カビ) セミハード全般 | 脂肪量の多い白カビがおすすめ。 クリーミーな旨味をフレッシュなシャルドネが 引き立ててくれる。 ブルゴーニュ産のシャルドネなら 同じブルゴーニュ地方産のバラカを。 セミハードならサレールやフォンティーナ。 |
コクがあるまろやかな白ワインに合うチーズ
コクがあってまろやかな濃厚白ワインには、ウォッシュタイプや熟成期間が長いハードタイプがよく合います。
同じ濃厚な旨味とまろやかな質感がある同士のワインとウォッシュタイプは、とても素晴らしい相性です。また、熟成期間が長いハードタイプは、旨味が強くなるとともにナッツのような香ばしい香りが現れてくるため、樽熟成したワインの香ばしい香りと非常に良くマッチします。
ワインの種類 | 合うチーズ | 備考 |
---|---|---|
シャルドネ (樽熟成) | エポワス(ウォッシュ) マンステール(ウォッシュ) タレッジョ(ウォッシュ) コンテ(ハード) パルミジャーノ・レッジャーノ(ハード) | 樽熟成させたシャルドネは、まろやかな質感なので、 トロトロのウォッシュタイプとの相性が◎。 特に、ブルゴーニュのシャルドネと合わせるなら、 同じブルゴーニュ産のエポワスを合わせたいところ。 ナッツの香りが強いコンテやパルミジャーノは、 ぜひ熟成期間が長いものを探してみて。 |
フルボディ赤ワインに合うチーズ

渋味が強くどっしりと重いフルボディの赤ワインは、ウォッシュタイプ、青カビタイプ、ハードタイプとの相性が抜群です。赤ワインの力強い風味に負けないように、旨味が強いチーズを合わせることで相乗効果が期待できます。
また、脂肪量が多い白カビタイプと合わせても美味しいでしょう。赤ワインの渋味が脂肪分をさっぱりさせて、旨味を引き立ててくれます。珍しいところでは、トリュフ入りの白カビタイプなども濃厚な赤ワインとの相性が最高です。
フルボディの赤ワインのブドウ品種には、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、シラー(シラーズ)、ネッビオーロなどがあります。
ワインの種類 | 合うチーズ | 備考 |
---|---|---|
カベルネ・ソーヴィニヨン メルロー | バラカ(白カビ) サンタンドレ(白カビ) トリュフ入りチーズ(白カビ) ロックフォール(青カビ) ボーフォール(ハード) | 白カビなら、脂肪量が多いバラカやサンタンドレ がおすすめ。 熟成したこれらのワインにはキノコの香りも 感じられるため、トリュフ入り白カビも◎。 青カビなら、コクや塩味が強いロックフォール。 高貴なブドウ品種とされるカベルネに合わせる ハードタイプは、同じく高貴なハードタイプと 言われるボーフォールを。 |
シラー/シラーズ | ピエ・ダングロワ(ウォッシュ) モン・ドール(ウォッシュ) フルム・ダンベール(青カビ) ブルー・ドーヴェルニュ(青カビ) コンテ(ハード) ミモレット(ハード) | フランス・ローヌ地方のシラーであれば、 近くのジュラ地方やオーヴェルニュ地方の ウォッシュや青カビを合わせるのが最高。 オーストラリアのシラーズは、フランスの シラーよりも濃厚でパワフルなので、 熟成期間が長く旨味が強いハードで合わせる。 |
ネッビオーロ | タレッジョ(ウォッシュ) ゴルゴンゾーラ(青カビ) グラナ・パダーノ(ハード) パルミジャーノ・レッジャーノ (ハード) | ネッビオーロは、イタリアの銘醸ワインである 「バローロ」「バルバレスコ」を生むブドウ。 イタリア産のウォッシュ、青カビ、ハードで 合わせたいところ。 |

ライト〜ミディアムボディの赤ワインに合うチーズ
ライト〜ミディアムボディ、つまり渋味が控えめで比較的軽いタイプの赤ワインには、フレッシュや白カビ、シェーブル、セミハードなどのチーズを合わせるのがおすすめです。
ウォッシュや青カビ、熟成期間が長いハードなどの強い味のチーズを合わせてしまうと、ワインの繊細な味わいが感じられなくなってしまうため注意が必要です。
人気があるミディアムボディの赤ワイン用ブドウ品種と言えば、ピノ・ノワールでしょう。ライトボディなら、ボージョレーで有名なガメイや、日本のマスカットベイリーAなどがあります。

味が強いウォッシュは合わせない方が良いと解説しましたが、ブルゴーニュ産のピノ・ノワールなら、同じブルゴーニュ産のウォッシュタイプを合わせてもOKですよ!
ワインの種類 | 合うチーズ | 備考 |
---|---|---|
ピノ・ノワール (ミディアムボディ) | シャウルス(白カビ) カンタル(セミハード) サレール(セミハード) エポワス(ウォッシュ) ピエ・ダングロワ(ウォッシュ) ラミ・デュ・シャンベルタン (ウォッシュ) | ブルゴーニュ産のピノ・ノワールなら、 エポワスやピエダングロワを。 ブルゴーニュの村「ジュヴレイ・シャンベルタン」 のワインで合わせるなら、そのためだけに生まれた ラミ・デュ・シャンベルタンと。 |
ガメイ マスカットベイリーA など (ライトボディ) | モッツァレラ(フレッシュ) クリームチーズ(フレッシュ) カマンベール(白カビ) ブリ(白カビ) シェーブル全般 | 軽い味わいの赤ワインには、フレッシュや白カビを 合わせるのがおすすめ。白カビは脂肪量が少なめの タイプを選ぶ。 酸味が爽やかなシェーブルとも相性が◎。 |
甘口ワインに合うチーズ
一般的にフランスの食文化では、チーズは食後(正確にはデザート前)に食べるものとされています。そのため、チーズは食後に飲む甘口ワインとの相性が非常に良いです。
甘口ワインに合わせるなら、塩味が強い青カビやウォッシュがおすすめです。特に甘口ワインと青カビとの相性は、「ワインとチーズの相性」の頂点に立つと言っても過言ではありません。
チーズに合う甘口ワインの代表格は、貴腐菌の作用でレーズン状になったブドウから造られる、黄金色の「貴腐ワイン」です。
他にも、「ゲヴュルツトラミネール」という品種のブドウを遅積みして糖度を上げたフランス・アルザス産の白ワイン、陰干ししたレーズン状のブドウから造られる甘口赤ワイン「レチョート」などがあります。
ワインの種類 | 合うチーズ | 備考 |
---|---|---|
貴腐ワイン | ロックフォール | 青カビの中で最上級のコクと塩味の強さをもつ ロックフォールで合わせるのが最高。 |
ゲヴュルツ・トラミネール (アルザス産・遅摘み) | マンステール (ウォッシュ) スティルトン(青カビ) | 同じアルザス産のウォッシュ「マンステール」 と合わせれば、幸せな気分になれる。 青カビなら、刺激が強くスパイシーな スティルトンと合わせるのが最適解。 |
レチョート | ゴルゴンゾーラ(青カビ) タレッジョ(ウォッシュ) | レチョートはイタリアの伝統的な甘口ワインなので、 イタリアの青カビやウォッシュで合わせる。 |

個人的には、チーズに合うワインのベストチョイスは甘口ワインか、次に紹介する酒精強化ワインだと思っています!
酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)に合うチーズ

酒精強化ワインとは、ブランデーなどを加えてアルコール度数を高め、コク・旨味や保存性を高めたワインのことです。世界3大・酒精強化ワインとして、スペインの「シェリー」、ポルトガルの「ポート」「マデイラ」があり、辛口から甘口までバラエティ豊かなワインが造られています。
酒精強化ワインは、普通のワインよりも味や香りが強いため、青カビやウォッシュなどのクセが強いチーズとの相性が素晴らしく良いです。酒精強化ワインとチーズのマリアージュが未体験の方は、この機会にぜひ一度試してみてください。
ワインの種類 | 合うチーズ | |
---|---|---|
シェリー | フィノ(辛口) | フレッシュタイプ シェーブル セミハードタイプ |
オロロソ(辛口) | ハードタイプ ウォッシュタイプ | |
モスカテル(極甘口) ペドロ・ヒメネス(極甘口) | 青カビタイプ(特にロックフォール) | |
ポート | 青カビタイプ | |
マデイラ | セルシアル(辛口) ヴェルデーリョ(中辛口) | 白カビタイプ セミハードタイプ ハードタイプ |
ブアル(中甘口) マルヴァジア(甘口) | ウォッシュタイプ 青カビタイプ |

フィノとかオロロソとか、聞き慣れないワインの名前がたくさんね…。

酒精強化ワインの世界はすごく魅力的ですよ。詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください!



ワインに合うチーズまとめ
- チーズにはナチュラルチーズとプロセスチーズがある
- ワインに合うチーズはナチュラルチーズ
- ナチュラルチーズの種類には、フレッシュ、白カビ、青カビ、ウォッシュ、シェーブル(山羊乳)、セミハード、ハードなどがある
- シャンパンに合うチーズは、白カビ・ウォッシュ・ハード
- スパークリングワインに合うチーズは、フレッシュ・白カビ・ハード
- フレッシュ&フルーティな白ワインに合うチーズは、フレッシュ・白カビ・シェーブル・セミハード
- コクまろの白ワインに合うチーズは、ウォッシュ・ハード
- フルボディの赤ワインに合うチーズは、青カビ・ウォッシュ・ハード
- ライト〜ミディアムボディの赤ワインに合うチーズは、フレッシュ・白カビ・シェーブル・セミハード
- 甘口ワインに合うチーズは、青カビ・ウォッシュ(特に青カビと最高!!)
- 酒精強化ワインは、全てのタイプのチーズに合わせられる(ただし、ワインのタイプによる)