毎日ワインを飲むんですけど、1日に飲むワインの適量ってどれくらいなんですか?
好きなだけ飲んだらええんや〜。二日酔いでも何でもかかってこんかい〜。
適量を考えずにワインを飲むと、こうやって二日酔いで苦しんだり、健康を害したりすることになります。ワインの適量はその人の「お酒の強さ」次第なのですが、一般的にこれくらいの量というのはあります。今回は、ワインの適量について解説しましょう!
1日に飲むワインの適量は?
1日に飲むワインの適量は、200ml程度です。
厚生労働省の「日本健康21(アルコール)」によれば、1日の適度な飲酒量は「純アルコールで約20g程度」とされています。ワインの場合、グラス1杯(120ml)に含まれる純アルコール量は約12gです。
つまり、グラスワイン1.5〜2杯程度が1日の適量ということになります。
これは、アルコール度数12%のワインを飲んだ場合の話です。アルコール度数14%のワインなら、180mlで純アルコール20gになリます。ワインのアルコール度数については、こちらの記事も参考にしてみてください。
「ワインの適量」に関する注意点
グラスワイン1,5〜2杯(=200ml程度)がワインの適量といっても、全ての人にとってそれが適量というわけではありません。
日本人はアルコール分解能力が低い
日本人は、欧米人などに比べてアルコール分解能力が低いとされています。お酒を飲むと、体内に有害物質「アセトアルデヒド」が発生します。これが二日酔いや悪酔いの原因です。
アセトアルデヒドは、「ALDH(アルデヒド脱水素酵素)」によって分解され、ALDHにはアセトアルデヒドが低濃度のときに働く「ALDH2」と、高濃度の時に働く「ALDH1」の2種類があります。
この「ALDH2」の活性が弱い、もしくは欠けていると、アセトアルデヒドの分解能力が低い(=お酒に弱い)体質になるのです。日本人の約44%は、体内にALDH2を持たない、または働きが弱いという研究結果が出ています。
つまり、日本人の約2人に1人はお酒に弱い体質ということです。お酒に弱い人にとっては、グラスワイン2杯は適量とは言えず、むしろ多いと考えたほうが良いでしょう。
お酒の弱かった人が、飲む練習をしているうちに強くなったって話を聞くけど、体がお酒に慣れれば強くなるんですか?
多少は強くなるかもしれんけど、体内にALDH2が全くない人は、どれだけ訓練してもお酒に強くなることはないで〜。
ALDHの有無・働きの強さは遺伝と言われています。そしてこの遺伝特性は、日本人などの「モンゴロイド系人種」にしか見られません。ヨーロッパ・アフリカ系人種でお酒に弱い人はまずいないということです。
アルコールの強さには個人差がある
アルコールの強さを決める要素は、ALDH(アルデヒド脱水素酵素)だけではありません。年齢・性別・体格などによっても、アルコールの強さは左右されます。
一般的には、高齢者よりも若者の方がアルコールに強いです。また、女性よりも男性の方がアルコールに強い人が多いとされています。女性は男性に比べて体が小柄=血液量が少ないため、同じ量のお酒を飲んでも血中アルコール濃度が男性よりも高くなり酔いやすいです。
同じ原理で、体が大きい人の方が小さい人よりもアルコールに強いとされています。自分の年齢・性別・体格などをも考慮して、ワインの適量を決めることが大切です。
アルコールの強さはその日の体調による
普段はお酒をたくさん飲んでも大丈夫なのに、なぜか今日はすぐに酔った・気分が悪くなった・頭が痛くなったなどの経験はありませんか?
アルコールの強さは、その日の体調で変わります。1日200mlがワインの適量とはいえ、自分の体調と相談しながら飲む量を考える必要があります。
僕も、体調が良くない日はグラスワイン1杯(120ml)で顔が真っ赤になるし、すぐに酔っ払うし、頭も痛くなるで〜。
休肝日が大切
休肝日とは、全くアルコールを摂取しない日を週に1日以上は設けることを推奨するために造られた言葉です。
お酒をたくさん飲むと、肝臓に負担がかかります。休肝日には、直接的に肝臓を休める目的もありますが、休肝日を設けることにより飲酒量を減らす目的もあります。
休肝日を設けて飲酒量を減らすことで、肝機能障害を予防できる可能性があります。ワインを末長く楽しめるように、必ず休肝日を設けるようにしましょう。「3日飲んだら1日は休肝日を入れる」などサイクルを決めておけば、それほどストレスなく飲酒量をコントロールできるはずです。
私は結構お酒に強い体質だから、休肝日は必要ないかも!
肝機能障害やアルコールが原因の病気などが見つかるのは、むしろ「お酒に強い体質」の人たちです。「強いから大丈夫」と、ついつい飲酒量が増えてしまうからです。ぴのこさんも気をつけてくださいね。
健康的にワインを飲むには?
健康的にワインを飲むためには、適量を守ること以外にもいくつかポイントがあります。
水と一緒に飲む
ワインを飲むときは、お水を一緒に飲むようにしましょう。ワインと一緒に水を飲むと、以下のような効果があります。
- 脱水症状を防ぐ
- 飲酒量が減る(飲酒頻度(回数)が抑えられるため、結果的に飲酒量が少なくなる)
- 内臓の負担を軽くする(お酒が薄まるため、食道や胃腸の粘膜へのダメージが少なくなる)
水をたくさん飲むと血中アルコール濃度も下がるから、酔いが覚めるのも早くなりますね!
実は、水をたくさん飲んでも血中アルコール濃度は下がりません。胃の中のアルコールは薄まるでしょうけどね。水をたくさん飲んでもアルコール分解速度は早くならないと覚えておきましょう。
料理と一緒に時間をかけて楽しむ
ワインは、料理と一緒に時間をかけてゆっくり飲むのが健康的な飲み方です。食事をしながらゆっくりと飲むことで、アルコールの吸収速度も緩やかになり、血中アルコール濃度が急激に上がることも防げます。
特に、タンパク質と一緒に飲むのが良いとされています。良質なタンパク質は肝細胞の再生を促進し、ALDHなどアルコール代謝酵素の働きを活性化してくれます。
寝る前にワインを飲むのは避ける
寝る前にワインを飲むのは、健康的とは言えません。ワインを飲んだほうがぐっすり寝られるという意見もありますが、実際は睡眠の質が落ちています。
特にお酒に弱い体質の人は、動悸などでかえって寝られなくなってしまう可能性もあるため、注意が必要です。
【まとめ】ワインは適量を守って楽しく飲みましょう
- 厚生労働省の基準によると、1日に飲むワインの適量は200ml程度(グラスワイン1.5〜2杯)。
- 日本人の2人に1人はお酒に弱い体質
- 年齢・性別・体格、その日の体調によってもアルコールの強さは異なるため、適量はあくまで目安
- 一般的に、高齢者よりも若い人の方がアルコールに強い
- 一般的に、女性よりも男性の方がアルコールに強い
- 一般的に、体が大きい人の方が小さい人よりもアルコールに強い
- 休肝日を設けて飲酒量をコントロールすることが大切
- 健康的にワインを飲むには、「一緒に水を飲む」「料理と一緒にゆっくり楽しむ」「寝る前に飲まない」