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酒精強化ワイン「ポート」とは?産地・種類・造り方や美味しい飲み方をソムリエが解説!

ぴのこ

この前、初めてポートっていうワインを飲んだんですけど、甘くてとても美味しかったんです。ポートとはどんなワインなんですか?

きむ

ついにポートの美味しさに目覚めるとは!ぴのこちゃんも、ついに大人の階段を上り始めたんだね。お兄さん嬉しい!!(泣)

ぴのこ

私より年下のくせに…。

しょうさん

それでは今回は、ポートとはどんなワインなのか紹介しましょう。産地や種類、造り方、美味しい飲み方まで、我々ソムリエが徹底的に解説しますよ!

目次

ポートとは?

しょうさん

この記事では、ワインの名前は「ポート」、街の名前は「ポルト」で統一しています。それでは、ポートとはどんなワインなのか見ていきましょう!

世界3大酒精強化ワインのひとつ

ポートとは、ポルトガルで造られる酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)です。酒精強化ワインとは、アルコール度数を高めて甘味やコク・保存性を高めたワインを指します。

ポートは、スペインのシェリー、ポルトガルのマディラと並んで世界3大酒精強化ワインに数えられています。

シェリーやマディラと同じく、ポートには甘口〜辛口まで様々なタイプがあります。一般的によく知られ、よく飲まれているのは甘口タイプのポートです。

ポートは「紳士の男たちの酒」

ポートは「紳士の男たちの酒」または「上流階級の酒」と呼ばれています。これは、ポートが歴史的にイギリスの上流階級の男性たちの間で愛されてきたお酒であることに由来します。

かつて、イギリス上流階級の間ではフランス・ボルドーの赤ワインが愛されていました。しかし17世紀、イギリスとフランスの間で起こった植民地を巡る争いの時代に、フランスが敵国イギリスの輸入するフランスワインに高い関税をかけたことがきっかけで、イギリスはフランスワインの輸入を禁止します。

困ったのはイギリスのワイン商たちです。彼らは、ボルドーワインに変わるワインを探す必要がありました。

ポルトガルに、ボルドーワインに似た濃厚な赤ワインがあることを知ったイギリスのワイン商たちは、ポルトガルワインを輸入することにします。しかし、保冷技術が発達していない当時のことです。ポルトガルからイギリスまで船で運ぶ間にワインがダメになってしまわないよう、出荷直前にブランデーなどを加えて保存性を高めていました。

ブランデーを加えたワインは決して美味しいものではなかったため、イギリスではあまり受け入れられなかったことでしょう。

そんな中、ワイン商たちはポルトガルのドウロ川沿いのシトー派修道院で、ワインが造られているのを発見します。その修道院のワインは、発酵途中でブランデーが加えられていました。

発酵途中でブランデーを加えることでアルコール発酵が止まり、アルコール度数が高くまろやかな甘いワインが出来上がります。イギリスのワイン商たちは、彼らが輸入するポルトガルワインにこの方法を使用するようになり、現在のポートワインの原型ができたと言われています。

その甘口ワインがイギリス上流階級の間であっという間に人気を博し、イギリス紳士達にポートが愛されるようになったのです。

手にポートワインを持つタキシード姿の紳士
ポートワインは紳士の酒

ポートの産地について

それでは、ポートの産地について見ていきましょう。

ポートは「ポルト」のワイン

ポートは、ポルトガルの首都「リスボン」から300kmほど北上したところにある、ポルトガル第2の都市「ポルト」の街から出荷されるワインです。

ポルトの街はユネスコ世界遺産にも登録されているほど文化的にも価値のある街で、非常にカラフルな建物で埋め尽くされた美しい街並みです。

カラフルな建物が立ち並ぶポルトの街並み
ポルトの美しい街並み

ポルトの街からドウロ川を挟んだ対岸には、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア(以下、ガイア)の街があります。ガイアは、ポートを貯蔵・熟成する場所として栄えてきた街です。ガイアには、ポートを貯蔵・熟成するための建物「ロッジ」が所狭しと立ち並んでいます。

ポートのブドウは、このポルトの街から100Kmほどドウロ川を遡ったところからスペイン国境に至るドウロ川流域で栽培されています。この地域は、ドウロ限定生産地域(以下、ドウロ)と呼ばれます。

収穫されたブドウは、ドウロ内にある醸造所でワインに生まれ変わります。それを河口のガイアまで運んできて熟成させ、出荷されるのがポートというワインです。

ポートのブドウ畑について

ドウロ川流域のブドウが栽培されている段々畑

ドウロ川流域に広がるポートのブドウ畑には、3つの特徴があります。

  • 段々畑
  • シスト土壌
  • カダストロ

まず、ポートのブドウ畑は、ドウロ川の水面から少しが上がったところからすぐに階段状の段々畑になっています。急斜面に規則正しく畑があることで、水はけが良く十分な日照量を確保でき、良質なブドウが栽培できます。

次に、ポートのブドウ畑はシストと呼ばれる薄い板状に割れた岩で構成されています。

シスト土壌は有機成分や窒素含有量が少なく、オリーブやブドウくらいしか栽培できない土壌です。しかし、ブドウは養分を求めて根を地中深くまで張り、丈夫な木に育ちます。また、シスト土壌は熱を吸収しやすく、ぶどうが早く熟するメリットもあります。

最後に、ポートのブドウ畑には「カダストロ」と呼ばれる格付け制度があります。各ブドウ畑は、土壌・気候・ブドウ樹の3つの項目について事細かに採点され、合計得点によってA〜Eまで格付けされています。

大手メーカーのポートには、ほとんどAもしくはBランクの畑のブドウが使用されています。

ポートのブドウ品種

ポートのブドウ品種には、以下のものがあります。

【黒ブドウ】
・トウリガ・ナシオナル
・ティンタ・ロリズ(テンプラニーリョ)
・ティンタ・バロッカ
・トウリガ・フランカ
・ティント・カンゥ

【白ブドウ】
・マルヴァジア・フィナ
・ゴウヴェイオ
・ヴィオシニョ

これらのブドウ品種をブレンドすることで、各ポートメーカーは独自の味わいを生み出します。

ポートの主要ブドウ品種は、トウリガ・ナシオナルです。非常に濃くて渋味たっぷりのワインになるため、ポートの味わいを最も特徴づけるブドウと言えます。

ポートの主要ブドウ品種「トウリガ・ナシオナル」

ポートの種類

しょうさん

ポートの種類には、大きく分けて以下の種類があります。

一般的なタイプ(普及品)それぞれのスペシャルタイプ
ルビーポートヴィンテージポート
LBV(レイト・ボトルド・ヴィンテージ)
シングル・キンタ・ヴィンテージ
トウニーポートコリエイタ
熟成年数表示トウニー
ホワイトポート
グラスに注がれたルビーポート、トウニーポート、ホワイトポート
右から順にルビーポート、トウニーポート 、ホワイトポート

ルビーポート

名前の通り、黒ブドウから造られた赤ワインのポートです。

一般的にポートといえば、このタイプを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。濃厚で凝縮したベリーやプラムの果実味、リッチなコクと甘味が感じられるワインです。また、ルビーポートの中には「ライトルビー」と言われるロゼタイプのポートもあります。

ルビーポートには収穫年が表示されません。これは、一般的なルビーポートが複数年のワインをブレンドして造られるためです。ルビーポートの平均熟成年数は3年と短く、若いうちに消費される普及品と言えます。

この普及品以外に、ルビーポートには高品質なブドウを使って造られるスペシャルタイプがあります。それらが、次に紹介する「ヴィンテージ・ポート」「LBV(レイトボトルド・ヴィンテージ・ポート)」「シングル・キンタ・ヴィンテージ」などです。

ヴィンテージ・ポート

ポルトの街のワインショップに並ぶヴィンテージポートのボトルの数々

ルビーポートの最高級品が、ヴィンテージ・ポートです。ブドウの出来が良い年にのみ造られるもので、100年ほど熟成したものでも美味しく飲めると言われています。

ヴィンテージポートは、各メーカーが「この年のワインはヴィンテージ・ポートにします」と宣言するところから始まります。

ただし、宣言したからといってすぐにヴィンテージ・ポートを造れる訳ではありません。良い年のポートを少し熟成させ、熟成ポテンシャルがあると判断した場合にポートワインの管理機関「ポートワイン・インスティチュート(IVP)」に提出し、認可を受けて初めて造ることが許されます。

認可を受けたポートは、澱引きせずに瓶詰めされます。そのため、ヴィンテージ・ポートを飲む際は、ポートと澱を分離させるためにデキャンタージュが必要です。

ヴィンテージ・ポートは15〜20年ほどの瓶熟成を経てから出荷されます。甘口ワインはあまり飲んだことがないという人も、ぜひ一度はヴィンテージ・ポートを飲んでみてください。熟成した甘口ワインの本当の素晴らしさに、言葉を失うことでしょう。

また、ヴィンテージ・ポート用と同じ高品質なブドウを使った複数年のワインをブレンドして造られる「ヴィンテージ・キャラクター」と呼ばれるタイプもあります。こちらはヴィンテージの名を冠してはいますが、3〜4年熟成で出荷されるリーズナブルなタイプとなっています。また、最近はあまり見かけません。

LBV(レイト・ボトルド・ヴィンテージ)

ヴィンテージ・ポート同様に、ブドウの出来が良い年だけ造られるスペシャルタイプです。ヴィンテージ・ポートと異なる点は、瓶詰めのタイミングです。LBVはヴィンテージ・ポートよりも4〜6年ほど長く樽熟成させた後、瓶詰めされます。そのため「遅く瓶詰めされたヴィンテージ・ポート」という意味で名付けられています。

お手軽に楽しめる高級ポートといった位置付けで、素晴らしい味わいにもかかわらずヴィンテージ・ポートよりもお手頃な価格で買えます。

最近のタイプは澱引きをしてから瓶詰めされるものが多く、デキャンタージュせずに飲めます。クラシックなタイプは澱引きせずに瓶詰めされるため、ヴィンテージ・ポート同様にデキャンタージュしてから飲む必要があります。

シングル・キンタ・ヴィンテージ

シングル・キンタ・ヴィンテージは、一つの畑のブドウだけで造られたヴィンテージ・ポートです。

通常のヴィンテージ・ポートは、ブドウの出来が良い年に複数の畑のブドウから造られたワインをブレンドします。一方のシングル・キンタ・ヴィンテージは、一つの畑のブドウから造られたワインのみで仕込まれるため、畑の個性をより強く反映した味わいになります。

シングル・キンタを名乗れる有名な畑には、以下のものがあります。

メーカー名畑の名前
フォンセカキンタ・ド・パナスカル
シミントンキンタ・ド・ヴェスヴィオ
キンタ・ド・ノヴァルキンタ・ド・ノヴァル

トウニーポート

赤ワインのポートが、長期間に渡って樽の中で酸化熟成し、茶褐色になったものをトウニー・ポートと言います。ドライフルーツやナッツ、カラメル、コーヒーなどの複雑な香りがリッチな甘味と相まって、素晴らしい風味が感じられるポートです。

トウニーポートには、「コリエイタ」と「熟成年数表示トウニー」という2種類のスペシャルタイプがあります。

コリェイタ

コリェイタは、トウニーポート版のヴィンテージ・ポートです。コリェイタ(colheita)とはポルトガル語で「収穫」を指します。

コリェイタはブドウの出来が良い年のワインのみで造られ、最低7年の樽熟成期間を経てから出荷されます。7年はあくまで最低熟成期間であり、もっと長期間(10年〜50年)の樽熟成期間を経てから出荷されることがほとんどです。ボトルには収穫年、瓶詰め年、樽熟成したものであることなどの表示義務があります。

コリェイタもヴィンテージ・ポート同様に、ポートの管理機関「IVP」の認可が必要です。瓶詰めされた時点で長期熟成されており、十分に飲み頃を迎えているため、市場に出回っているものならすぐに飲んで問題ありません。

ヴィンテージ・ポートよりもさらに生産量が少なく貴重なポート
なので、見つけたときはぜひ飲んでみることをおすすめします。

熟成年数表示トウニー

複数の収穫年のトウニーポートをブレンドして造られる、長期熟成タイプのポートです。ボトルには平均の樽熟成年数が記載されており、10年・20年・30年・40年の4種類があります。

10年は少し褐色がかってはいるものの、まだまだルビーポートっぽいニュアンスが強く、フレッシュさも感じられます。これが20年・30年になると色は黄褐色になり、ナッツやドライフルーツ、スパイスなど枯れたニュアンスが出てきます。40年にもなると茶褐色になり、全ての風味が渾然一体となった素晴らしいポートへと変貌を遂げます。

ホワイトポート

白ブドウから造られた白ワインのポートです。3年〜5年ほどの熟成で出荷される早飲みタイプで、基本的に甘口です。甘口の他に、完全に発酵が終了してから酒精強化する辛口タイプ(レヴェ・セコ)というタイプもあります。

ホワイトポートにはルビーやトウニーのようなスペシャルタイプはなく、日常消費向けの普及品のみです。

ポートの造り方

きむ

ここからは、ポートの造り方を説明します!ポートは以下の手順で造られるよ。

  • 収穫
  • プレス・発酵
  • 酒精強化
  • ロッジで熟成
  • ブレンド&出荷

①収穫

ポートのブドウは、9月初旬から10月末にかけて収穫されます。急斜面に加えて、固いシスト土壌を歩きながら収穫しなければならないため、ドウロのブドウ収穫は重労働です。

大手のポートメーカーは広大な自社畑を所有していますが、それだけでは足りないため、契約農家からブドウを購入します。ドウロ地域内には、約30,000軒のブドウ栽培農家があります。

収穫されたブドウはドウロ内のワイナリーに運ばれ、除梗破砕機にかけられます。

②プレス・発酵

除梗・破砕されたブドウは、温度管理付きの発酵槽に移されます。この発酵槽には、色素を十分に抽出するための攪拌装置や、液体を引き抜いて上からシャワーのようにかけてブドウの皮と果汁を混ぜる装置がついています。

この工程は、伝統的に「ラガール」と言われる大きな桶の中で、人間が裸足でブドウを踏んで行われてきました。ただ、なかなか人手が確保できないうえに重労働のため、現在は機械化されているところがほとんどです。

一部のメーカーでは、高級品だけは足踏みにしたり、すべて足踏みで造るところもあるようです。また、この足踏みのメカニズムを解析して、その動きや温度を制御できる発酵槽なども登場しています。

③酒精強化

ポートは、アルコール発酵の途中で酒精強化します(=アルコールを添加して度数を高めること)。

ぴのこ

たしか、アルコール発酵は、原料の糖分を酵母の作用でアルコールと二酸化炭素に分解することだったよね。

きむ

よく覚えてるね。発酵が完全に終了する前、つまり糖分がすべてアルコールに変わる前にアルコール度数を高めることで発酵が止まって、糖分が残ったままの甘いワインができあがる。これがポートが甘い理由だね。

発酵中のどのタイミングで酒精強化するかは、各メーカーがどれくらいの甘さを求めるかで決まります。求める甘さになるタイミングで発酵途中の果汁のみを引き抜き、別の槽に移して徐々にアルコールを加えていきます。

加えるアルコールには、ワインを蒸留したブランデーが使用されます。

④ロッジで熟成

酒精強化されたワインは、冬の間はドウロ内のワイナリーで寝かされます。ここである程度自然に冷却・清澄され、春先に熟成・貯蔵するために河口の街ガイアへと運ばれます。

かつては「ラベロ」と呼ばれる船が移送に使用されていましたが、現在は交通網が発達してタンクローリーが使われています。

ドウロ地域で造られたワインを河口に運ぶ船「ラベロ」
かつて上流ドウロから下流のガイアへポートを運んだラベロ。現在は観光船として航行している。

1926年以降、全てのポートはガイアのロッジ(=貯蔵庫)で貯蔵・熟成することが義務付けられていました。1986年にポルトガルがEC(現在のEU)に加盟したことによりヨーロッパのワイン法が適用され、ドウロ内でもポートを熟成して良いことになりました。

ただ、現在でもほとんどのポートがガイアのロッジで熟成されています。これは、河口にあるガイアの方が温度が高く、熟成条件が良いとされているためです。

ロッジに到着したワインは、ブレンダーによってテイスティングされ、どのタイプのポートとして熟成させるか決められます。

赤ワインの中で、色が濃くて凝縮感があり、力強い風味をもつものはルビーポートとして熟成されます。色が淡く軽い風味のものは、酸化熟成に向いているとの判断でトウニーポートとして熟成段階に入ります。

ルビーポートは「バルセイロ」と呼ばれる巨大な木樽やステンレスタンクに入れられ、酸素との接触を極力避けて熟成させます。巨大なバルセイロになると、数万ℓも入るものがあります。

巨大なバルセイロ

反対に、トウニーポートは自然に酸化するように、樽との接触面積が大きい600〜650ℓ入りの「ガイア・パイプ」と呼ばれる樽で熟成させます。

この熟成期間中に、ワインの沈殿物を取り除く「澱引き」も行われます。澱引きを行うとワインの酸化が促進されるため、ルビーポートは最小限に、トウニーポートは頻繁に行われます。

⑥ブレンド&出荷

一般的なポート(普及品)は、出荷するまでに最低3年の熟成期間が義務付けられています。そして、出荷する前の最も大切な作業が「ブレンド」です。

全てのポートは、各メーカーのブランドイメージに合わせてブレンドされます。ヴィンテージポートのような収穫年を表示するものは、同じ年の異なるブドウ品種・異なる畑で造られたポートがブレンドされます。収穫年を表示しない一般的な普及品ポートは、異なる年のポートをブレンドします。

各メーカーにはマスターブレンダーと呼ばれるブレンド職人がおり、マスターブレンダーが指示する割合でブレンドを行います。

最終的に、アルコール度数は19%〜22%ほどに調整され、清澄・フィルタリングなどを行い瓶詰め、出荷されます。

ポートの美味しい飲み方

きむ

最後に、ソムリエの実体験に基づく「ポートワインの美味しい飲み方」を紹介します!

ポートだけで楽しむ

ポートは、ワイン単体で楽しめる「瞑想ワイン」と言われています。

瞑想ワインという明確なカテゴリーがあるわけではありませんが、この言葉は一般的に「料理と合わせることを考えなくて良いワイン=単体で楽しめるワイン」の意味で使われます。

瞑想ワインは、イタリアのワイン評論家「ルイジ・ヴェロネッリ」が提唱した考え方です。

【ルイジ・ヴェロネッリによる瞑想ワインの定義】

甘いレーズンのニュアンスを持つ、フルボディの赤ワイン。さらに酒精強化のワインも含む。

瞑想ワインはとくに複雑であり、毎日のワインではなく、長い冬の夜に暖炉の周りで一口ずつ楽しむのに適している。そして、ちょっとした驚きを生み出し、一口飲むたびに心地よい暖かさと幸せを感じさせる。

確かに、ポートのもつリッチなコク・レーズンのような甘味・官能的な香りは瞑想ワインの定義に当てはまっており、ワイン単体で飲むにふさわしいと言えます。

きむ

特にヴィンテージポートは、ワインの香り・味わいに集中して、ワインにとことん向き合って飲むのがおすすめ!

フォワグラ料理やジビエと楽しむ

一般的に、甘口ワインとフォワグラは相性が良い組み合わせとされています。そのため、甘口のポートワインとフォワグラも非常に合います。フォワグラのトロッとした食感と濃厚な旨味が、ポートのねっとりとしたコク・甘味と抜群のマリアージュになるのです。

ルビーポートは、フォワグラとレバーのパテや、フォワグラムース、フォワグラソテーなどと素晴らしい相性を見せてくれるでしょう。

また意外に思われるかもしれませんが、ヴィンテージポートくらいのクラスになればジビエと合わせても美味しいです。個性の強い食材もうまく包み込んでくれる懐の深さが、ポートにはあります。

チーズと楽しむ

ポートはチーズとも相性が良いです。ヴィンテージポートとイギリスのブルーチーズ「スティルトン」の組み合わせは、定番中の定番と言えます。

スティルトンだけでなく、ポートはすべてのブルーチーズと合います。ブルーチーズの塩味をポートの甘味がうまく中和してくれて、チーズの濃厚な旨味が感じられるでしょう。

トウニーポートの場合は、ウォッシュタイプのチーズや白カビ、フレッシュチーズなどと相性が良いでしょう。

ルビーポートと

デザートと楽しむ

ポートはデザートワインの定番です。ポートをデザートと合わせる場合は、ヴィンテージポートなどのスペシャルタイプではなく、通常のタイプを合わせましょう。

ポートのタイプ合うデザート
ルビーポートチョコレートを使ったデザート、カステラ など
トウニーポートドライフルーツのパンケーキ など
ホワイトポートフレッシュフルーツ など

シガー(葉巻)と楽しむ 

しょうさん

私が最もおすすめするのは、ヴィンテージポートとシガー(葉巻)を楽しむことです。

日本ではあまり一般的ではありませんが、ポートはシガーとの相性が抜群と言われています。これは、イギリス上流階級の楽しみ方であり、紳士の嗜みと言えるでしょう。

シガーには、一般的なタバコとは違ってドライベリーや乾いたスパイスの何とも言えない甘い香りがあります。これらは、ポートと共通の香りなので、同じ香りをもつもの同士で相性が良いのです。また、シガーは吸い進めるうちに少し辛くなってきます。これをうまく中和してくれるのがポートの甘さです。

シガーの香りを楽しみながら、ヴィンテージポートに酔いしれる。まさに至福の時間です。まだ未経験の方は、ぜひ一度試してみてください。

きむ

僕も1976年のヴィンテージポートとキューバ産のシガーを飲んだことあるけど、あれは最上の時間だった。

バーのカウンターでポートワインとシガー(葉巻)を楽しむ男性
ポートとシガー(葉巻)は紳士の楽しみ方

まとめ

同じ酒精強化ワインであっても、ポートはシェリーと全く異なる個性を持っています。

ソムリエ個人の意見としては、シェリーはみんなでワイワイ楽しく飲むのに適していると思っています。一方、1人もしくは気のおけない仲間達とゆっくり流れる時間のなかで飲むのに向いていると感じています。

シェリーが「動」のワインであるのに対し、ポートは「静」のワインといったイメージでしょうか。

いずれにせよ、ポートには他のワインにはない唯一無二の魅力があります。まだポートを飲んだことがないという方は、ぜひ一度飲んでみてください。その素晴らしい味わいにきっと驚くはずです。

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この記事を書いた人

・飲食店の勤務経験12年(うち、ソムリエ9年)
・日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
・C.R.D.O認定 公式ベネンシアドール
・2009年 JALUX WINE AWARD ファイナリスト

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