チョコレートが大好きでワインと一緒に食べたいんですけど、どんなワインが合いますか?
チョコレートとワイン、いいですね!どんなワインでも合うというわけではありませんが、合わせるワイン次第では相性抜群の組み合わせになりますよ。では、今回はチョコレートによく合うワインを紹介しましょうか。
チョコ好きは必見やで!
【結論】チョコレートに合わせるなら甘口のワインを
チョコレートとワインを楽しむなら、甘口ワインで合わせるのがおすすめです。チョコレートと同じ甘味をもつワインを合わせれば、相互作用によってマリアージュ(ワインと食べ物の相性が素晴らしい状態)が生まれます。
辛口のワインが全く合わないというわけではありませんが、ソムリエとしてはあまりおすすめできません。濃厚で甘いチョコレートに辛口ワインを合わせると、ワイン本来の味が感じられなくなるためです。
人間の味覚は、強い甘味を感じた後は甘味に対して鈍感になり、酸味・苦味を強く感じるようになります。チョコレートを食べた後では、辛口赤ワインの場合は酸っぱくて苦い味わいに、辛口白ワインの場合は酸っぱくて水のように薄い味わいになってしまいます。
甘いチョコレートに甘いワインを合わせると、(重い…)(口の中がベッタリ甘ったるくなるのでは?)と思われた方もいらっしゃるでしょう。
しかし先述の通り、チョコレートを食べた後の味覚は、甘さを感じにくく酸味を敏感に感じるようになっているため、甘口ワインでも比較的スッキリした味わいになります。甘口ワインと言えど、酸味はありますからね。
思い切ってチョコレートにも負けないくらいの極甘口ワインを合わせてみましょう。
チョコレートに負けない極甘口ワインなんてあるんですか?
フッフッフ…それが実はあるんですね〜。
チョコレートに良く合うワイン4種(ソムリエ厳選)
ソムリエがおすすめする、「チョコレートによく合うワイン」4種は以下です。
- ポートワイン
- シェリー
- 貴腐ワイン
- 甘口スパークリングワイン
ポートワイン
ポートワインとは、ポルトガルで造られる酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)です。チョコレートによく合うワインの代表格と言えます。
【酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)とは?】
ブドウ果汁がワインに変わる「アルコール発酵」の途中で、ブランデーなどの蒸留酒を加えて発酵を止め、甘味を残したアルコール度数が高いワイン。
アルコール発酵とは、原料の糖分を酵母が分解して、アルコール分(エタノール)と炭酸ガスを発生させる作用。糖分が完全にアルコール分に変わる前に発酵を止めるため、糖分がまだ残った状態の甘いワインができあがる。
ポートワインの種類を簡単に説明すると、以下のようになります。
タイプ | 特徴 |
---|---|
ルビー・ポート | 3年ほどの樽熟成で出荷される、最もスタンダードな赤のポートワイン |
ホワイト・ポート | 3〜5年の樽熟成で出荷される、最もスタンダードな白のポートワイン |
トウニー・ポート | 10〜40年の樽熟成を経て瓶詰めされるスペシャルタイプ。琥珀色。 |
ヴィンテージ・ポート | 当たり年だけ造られる。20年ほどの樽熟成を経て出荷される、ポートワインの中では最高級のスペシャルタイプ。 |
レイトボトルド・ヴィンテージ・ポート | ヴィンテージ・ポート同様に当たり年のみ造ら、4〜6年ほどの樽熟成で瓶詰めされる。気軽に飲める高級ポートワインの位置付け。 |
ポートワインには様々な種類がありますが、基本的に全て甘口です。非常にリッチで濃厚な甘味をもつワインなので、チョコレートと非常に相性が良いですよ!
スタンダートな「ルビー・ポート(甘口赤ワイン)」はチョコレート全般に合うな。「ホワイト・ポート(甘口白ワイン)」はホワイトチョコが素晴らしいマリアージュになるで。
高級チョコレートと合わせて贅沢な気分を味わいたい場合は、熟成年数が長いスペシャルタイプ「トウニー・ポート」や「ヴィンテージ・ポート」と合わせるのがおすすめです。
※ポートワインについて詳しく知りたい方はこちら(新記事作成予定)
シェリー
スペイン・アンダルシア地方で造られる酒精強化ワイン「シェリー」も、チョコレートとよく合います。
シェリーには辛口から中甘口・甘口・極甘口まで様々なタイプがありますが、チョコレートに合わせるなら甘口・極甘口タイプが良いでしょう。
甘口・極甘口タイプのシェリーには、以下のものがあります。
シェリーのタイプ | 特徴 |
---|---|
クリーム | オロロソという辛口シェリーをベースに、極甘口シェリーをブレンドした甘口シェリー。 コクがあってリッチな甘味が楽しめる。 |
モスカテル | マスカットから造られる極甘口のシェリー。 トロッとした甘味の中にマスカット由来のフレッシュな酸味が感じられる。 |
ペドロ・ヒメネス | ペドロ・ヒメネスというブドウから造られる極甘口シェリー。 トロトロの質感と黒蜜のような濃厚な甘味をもつ。 |
クリームはオレンジの皮のような風味もあるから、オレンジピールのチョコと合わせると最高に美味しいで!
モスカテルやペドロ・ヒメネスは、驚くほど濃厚な甘さのワインです。これならどんなに甘いチョコレートでもよく合います。アーモンドやヘーゼルナッツのような風味もあるので、ナッツ系チョコとも相性が良いでしょう。
※シェリーについて詳しく知りたい方はこちら(新記事作成予定)
貴腐ワイン
極甘口のデザートワイン「貴腐ワイン」も、チョコレートと良い相性を見せてくれます。様々なフルーツの甘味と花の蜜を集めて凝縮したような、品が良い甘さの高貴なワインです。
【貴腐ワインとは?】
ボトリティス・シネレア(貴腐菌)という菌の作用により、水分が抜けたレーズン状のブドウから造られる極甘口のワイン。
完熟ブドウに付着した貴腐菌が、ブドウに穴をあけて水分のみを蒸発させるため、糖分が凝縮したブドウになる。このブドウからは蜜のように甘い果汁が得られるが、一房から得られる果汁量がごくわずかで生産量が少ないため、非常に高価なワインとなる。
フランス・ボルドー地方の「ソーテルヌ」、ドイツの「トロッケン・ベーレン・アウスレーゼ」、ハンガリーの「トカイ」が世界3大貴腐ワインとして知られる。
貴腐ワインは普通のダークチョコレートと合わせてももちろん美味しいのですが、ドライフルーツやフレッシュフルーツをチョコでコーティングしたものと合わせるのが、個人的にはおすすめです!
チョコレートを使ったケーキとも最高の相性やで!
※貴腐ワインについて詳しく知りたい方はこちら(新記事作成予定)
甘口スパークリングワイン
甘口のスパークリングワインも、チョコレートによく合います。
上記で紹介した「甘口のチョコレート&甘口ワイン」は確かにとても良い相性なのですが、人によっては(ちょっと甘すぎる!)と思うかもしれません。
そんな方は、ぜひ甘口のスパークリングワインを合わせてみてください。甘口といっても、スパークリングワインの場合はそこまで甘くありません。さらに、炭酸が口の中をキレイさっぱりしてくれるため、甘いチョコをついついもう一口食べたくなるでしょう。
個人的には辛口スパークリングワインとチョコレートを合わせるのが好きやわ。スパークリングワインの場合は、意外と辛口でもチョコと合うで!
どうしてもチョコレートに辛口ワインを合わせたい場合は?
甘口のお酒がどうしても苦手で、辛口ワインとチョコレートで楽しみたい!という人はどうすればいいですか?
その場合は、ビターなチョコレートを合わせるか、チョコレートと同じような風味を持つ濃厚な味わいの赤ワインを合わせると良いでしょう。
ビターチョコレートを合わせる
甘さ控えめのビターチョコレートであれば、辛口の赤ワインと美味しく食べられます。
最初に説明した通り、甘いチョコレートと辛口ワインが合わない理由は、人間の味覚が強い甘味を感じた後は酸味・苦味に敏感になり、ワインが酸っぱくて苦い味になってしまうからです。
ビターチョコレートであれば、赤ワインの酸味・苦味が強調されることもないため、チョコレートとワイン両方の味を楽しめます。
チョコレートと同じ風味を持つ濃厚赤ワインを合わせる
チョコレートの甘さに負けない濃厚な味わいかつ、同じ風味を持ったワインであれば、辛口ワインでも良い相性になります。
ワインの中には、チョコレートと同じような風味(ダークチョコレート、レーズン、オレンジピール、ドライいちじく、ナッツなど)をもつものがあります。このような風味をもつ濃厚な赤ワインは、甘いチョコレートでも良い相性になります。
例えば、イタリア・ヴェネト州のアマローネです。アマローネとは、陰干ししてレーズン状になったブドウから造られる辛口赤ワインなのですが、チョコレートのような香ばしくて甘い風味をもち、味も非常に凝縮感があって濃厚なため、チョコレートと合わせても負けません。
他にも、カリフォルニアの「ジンファンデル」というブドウから造られたワインは、アマローネに似た濃厚な味わいのものがあります。ジンファンデルもチョコレートと合わせるのにおすすめの辛口赤ワインですね。
【ワインとチョコレート】まとめ
- チョコレートとワインを合わせるなら、甘口ワインがおすすめ
- ソムリエ厳選のチョコレートに合う甘口ワインは、「ポートワイン」「シェリー(甘口タイプ)」「貴腐ワイン」「甘口スパークリングワイン」の4種
- 辛口ワインとチョコレートを合わせるなら、ビターチョコレートを合わせる
- チョコレートと同じ風味を持つ濃厚な辛口赤ワインも、チョコレートに合う。例えば、イタリアのアマローネ、カリフォルニアのジンファンデルなど