中華料理に合うお酒は紹興酒じゃない!?最適解をソムリエが解説

ぴのこ中華料理の紹興酒を勧められるんですけど、どうも紹興酒の風味が苦手で…。大好きなワインを合わせてみたんですけど、どうもしっくりこないんです。中華料理に合わせる、何か良いお酒はありますか?
きむあるよ。
きむ紹興酒と中華料理はたしかに合うけど、紹興酒が苦手という人も結構いるからね。そんな人のために、ソムリエが中華料理に合うとっておきのお酒を伝授しましょう。
紹興酒は中華料理に合わない?

中華料理と相性が良いお酒といえば、同じ中国のお酒「紹興酒」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
【紹興酒とは?】
中国浙江省の紹興市周辺で造られる「黄酒(ホアンチュウ)」の一種。もち米を原料に造られる中国伝統の醸造酒で、熟成による深いコクと芳醇な香りが特徴。
たしかに、中華料理と紹興酒は合います。濃厚で油分の多い料理や香辛料の強い味わいに対しても、紹興酒はしっかりとした旨味で包み込んでくれるからです。
しかし、ソムリエの立場から見て「紹興酒と中華料理はベストマッチか?」と問われると、答えはNOになります。理由はシンプルで、紹興酒には「ある重要な要素」が欠けているからです。
その重要な要素とは、「酸味」。
油分の多い料理とお酒を合わせるうえで、酸味は欠かせない要素です。酸味には、以下の役割があります。
- 口の中の脂をリセットする
- 後味を軽やかにする
- 次の一口を欲しくさせる
紹興酒は旨味が非常に豊かなお酒ですが、酸味がほとんどないため、「中華料理の旨味」と「紹興酒の旨味」が口の中で重なり続けてしまいます。
その結果、味わいが単調に感じられ、だんだんと「食べ疲れ」してしまうのです。
中華料理とワインは合う?
では、酸味が豊富なワインは中華料理に合うのでしょうか?
結論から言うと、こちらの答えはYESです。ただし、ワイン初心者の方々には正直あまりおすすめできません。
ワインには、料理との相性を高める「酸味」がしっかりあります。前述の通り、酸味には「油をリセットする」「後味を軽くする」といった役割があるため、油分の多い中華料理とワインの相性は理論上とても良いと言えるでしょう。
しかし中華料理は、濃厚な味わいに加えて、強いスパイスの香りや唐辛子などの辛味といった、ワインにとってハードルが高い要素が重なった料理です。そのため、「酸味がある」という条件だけでは不十分で、実際に合わせられるワインはかなり限られてしまいます。
知識がないままワインを選んでしまうと、中華料理の味が強すぎてワインの風味が完全にかき消されるという事態になりかねません。
中華料理に合うお酒の最適解
これまでの内容をまとめると、どうやら中華料理とベストマッチのお酒は、以下の条件を満たす必要がありそうです。
- スパイスや辛味に負けない酒としての「骨格(コシ)」の強さがある
- 紹興酒と同じくらい「熟成による旨味・コク」がある
- ワインと同じくらいしっかりとした「酸味」がある
- ワイン初心者でも難しく考えずに選べる
ぴのここんなお酒があるんですか?ちょっと思いつかないですけど…
きむだから君は万年ワイン初心者と言われるんだよ、ぴのこちゃん。あるじゃないか、この3つ全ての条件を満たす最強のお酒が!
中華料理と合うお酒の最適解は、スペイン産の酒精強化ワイン「シェリー」です。中でも、「オロロソ」という酸化熟成タイプのシェリーがベストマッチです。

オロロソは、長期間の酸化熟成によって造られるシェリーで、その味わいは紹興酒に似ているとも言われます。ただし、単なる「紹興酒に似ているお酒」ではありません。
酒精強化によるしっかりした骨格(=コシ)と、酸化熟成による深いコクと旨味の2つを兼ね備えているオロロソには、スパイスや辛味の強い中華料理にも負けない力強さがあります。
また、オロロソには、ブドウ由来の酸味がしっかりと残っています。そのため、「料理の濃厚な旨味を受け止めつつ → 口の中の油っこさをリセット → 次の一口を自然に引き出す」という理想的な流れが生まれるのです。
旨味だけで押し切る紹興酒に対して、旨味+酸味で完成度を高めるオロロソ。この差はとてつもなく大きいと言えるでしょう。
きむこれまで数多くのペアリングを試してきましたが、中華料理との相性の良さにおいて、オロロソ以上のお酒には出会っていません。それほどまでに、この組み合わせは理にかなっています。
また、ワインほど種類やタイプが多くないオロロソは、ワイン初心者でも難しく考えずに選べます。
中華料理と合わせるならこの1本!「オロロソ」
最後に、ワイン初心者の方向けに、「この1本さえあれば中華料理と美味しく合わせられる!」というオロロソを紹介しておきます。(数々のオロロソを飲んできて、私がもっとも美味しいと思うオロロソです)
中華料理で晩酌するのがお好きな方は、ぜひ自宅に1本ストックしておいてはいかがでしょうか。
