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ワインエキスパートとソムリエの違い&資格の特徴を解説!取るならどっち? 

ぴのこ

ワインの資格に「ワインエキスパート」と「ソムリエ」があるけど、どんな違いがあるの?ソムリエの方が上位資格って感じかな?

きむ

実は、ワインの知識レベルとしては、ワインエキスパートもソムリエも同じなんだ。だから、どっちの資格が上とかはないんだけど、主に受験資格や試験内容に違いがあるんだよ。

しょうさん

今回はワインエキスパートとソムリエの違いを解説しましょう。それぞれの資格の特徴もわかりやすく説明しますよ!

【この記事で分かること】

・ワインエキスパートとソムリエの違い
・ワインエキスパートとソムリエ、それぞれの試験内容
・自分にどちらの資格が向いているか、どちらの資格を目指せば良いか

目次

ワインエキスパート資格とソムリエ資格の違い

ワインエキスパート資格とソムリエ資格の違いには、主に以下のものがあります。

  1. 職業の違い
  2. 知名度の違い
  3. 難易度の違い
  4. 受験資格の違い
  5. 受験内容の違い
  6. 取得にかかる費用の違い

①職業の違い

ワインエキスパート資格は一般愛好家向けの資格で、基本的にはワインに関わる職業ではない人達が取得します。一方のソムリエは資格は、ワインサービスに従事している人向け。いわば飲食業界のプロ向けの資格です。

もちろん、ワインサービスに従事する人がワインエキスパート資格を取得しているケースもあります。ただしこれは、後に解説する「受験資格の違い」があるためです。ワインサービスに従事する人であれば、ソムリエ資格を取得するのが一般的でしょう。

資格取得後は、ワインエキスパートは趣味や日々の食生活を豊かにするために活用できます。ソムリエ資格は日々のワインサービス業務のレベルアップや、転職時のキャリアアップに活用できるでしょう。

②知名度の違い

知名度は、ワインエキスパートよりもソムリエの方が圧倒的に高いと言えます。Googleトレンドの数値を比較しても、ソムリエの方の需要(=人気度)が高いことが分かるでしょう。

ワインエキスパートとソムリエのGoogleトレンド数値

【Googleトレンドとは?

Googleが提供する無料ツールで、Goolge検索エンジンにおける各検索キーワードの需要の推移をグラフでチェックできるもの。Googleトレンドの数値は実際の検索数ではなく、最も検索数があった時を100として、それと比較した相対的な数値が表示されます。

ぴのこ

ワインソムリエだけじゃなくて、コーヒーソムリエ・米ソムリエ・お茶のソムリエ・お酢のソムリエとかたくさんのソムリエがあるから、知名度はやっぱりソムリエの方が高そうね!

きむ

確かにいろんなジャンルに「ソムリエ」をくっつけるから、ソムリエという言葉の知名度は上がったかもしれないね。でも、本来「ソムリエ」というのは、レストランでワインサービスする職業を指す言葉なんだよ。厳密には、コーヒーソムリエや米ソムリエなどの言葉の使い方は間違ってると言えるね。

ソムリエ(仏: sommelier、女性単数形:sommelière)は、レストランなどで客の要望に応えてワインを選ぶ手助けをするワイン専門の給仕人である。

引用:Wikipediaより

ただ、ワインエキスパートの知名度は年々上昇しており、現在では年間3,000人が受験する人気資格になっています。

この背景には、ワインへの理解を深めることで日々の食事やお酒選びを楽しくして、QOL(人生の質)を上げたいというニーズもあるのではないでしょうか。

③難易度の違い

ワインエキスパート資格とソムリエ資格では、合格率を見る限りソムリエの方がやや難易度が高いと言えます。とはいえ、筆記試験やテイスティング試験の内容に大きな差はありません。

ちなみに、近年のワインエキスパートとソムリエの合格率は、以下の通りです。

年度ワインエキスパートソムリエ
2024年41.4%29.2%
2023年41.9%17.7%
2022年32.9%30.1%
2021年40.7%42.1%
2020年43.3%37.9%
平均40.0%32.5%
参考サイト:ワイン受験.com

④受験資格の違い

レストランで赤ワインを注ぐスタッフ
ソムリエ資格の受験には「実務経験」が必要

ワインエキスパートは、20歳以上であれば誰でも受験できます。一方のソムリエの場合、受験するには酒類を提供する職種で3年以上の実務経験が必要になります。

ワインエキスパートとソムリエの具体的な受験資格は、それぞれ以下の通りです。

ワインエキスパートソムリエ
年齢20歳以上20歳以上
国籍不問不問
職種不問ソムリエの職務(※下記備考を参照)が本職であり、
全収入の60%以上をソムリエの職務により得ていることが必須条件
経験不問上記の職務経験が通算3年以上
(日本ソムリエ協会員は通算2年以上)
備考(※)ソムリエの職務

酒類・飲料を提供する飲食サービス
酒類・飲料の管理・仕入れ、輸出流通・卸、販売、製造
酒類・飲料に携わる教育機関講師
酒類・飲料に関するコンサルタント
参考:一般社団法人 日本ソムリエ協会 公式HP

⑤試験内容の違い

ワインエキスパート試験の内容は、一次試験(筆記)と二次試験(テイスティング)です。一方ソムリエの場合は、これらに加えて三次試験(サービス実技+論述)があります。

一次試験の問題は、80%ほどはワインエキスパートとソムリエ共通の問題が出題され、残りの20%はそれぞれの資格独自の問題が出題される傾向にあります。試験方式はワインエキスパート・ソムリエとも、受験者が好きな日時や会場を選び、試験会場のパソコンを使用して受験するCBT方式です。

二次試験のテイスティングでは、ワインエキスパートとソムリエで出題構成が異なります。ワインエキスパートが「ワイン4種・その他の酒類1種」なのに対し、ソムリエは「ワイン3種・その他の酒類2種」です。

ソムリエの三次試験「サービス実技」では、仮想客に見立てた試験官の前で「ワインを抜栓→デキャンタージュ」を行ないます。高度な技術を求められるわけではなく、基本的な動作ができていれば確実に突破できるでしょう。

同じくソムリエのみ課せられる三次試験の論述は、二次試験の日に実施されます。3つの設問に対して、それぞれ200字程度で回答する形式です。

ワインエキスパートソムリエ
一次試験筆記(CBT方式・120問/60分)筆記(CBT方式・120分/60問)
二次試験テイスティング(ワイン4種・その他酒類1種)テイスティング(ワイン3種・その他酒類1種)
三次試験なしサービス実技(抜栓+デキャンタージュ)
論述
ワインをデキャンタージュするソムリエ
ソムリエのサービス実技で試される「デキャンタージュ」

取得にかかる費用の違い

資格取得にかかる費用は、ワインエキスパートに比べてソムリエの方がやや高くなる可能性が高いです。受験費用と認定料は同額なのですが、ソムリエは三次試験の対策費用がかかるため、トータル費用が高くなります。

一次試験の受験回数受験料認定料
一般1回受験32,900円20,950円
2回受験37,800円
ソムリエ協会員1回受験23,700円
2回受験28,600円
ワインエキスパート・ソムリエの資格取得費用(税込)
きむ

一次試験は2回まで受験できるから、1回と2回で受験料が違うんだね。ちなみに、2回受験で申し込んで1回目で合格したとしても、1回受験の受験料との差額は返金されないから注意しよう。

ソムリエ資格は、ワインスクールで三次試験対策講座(サービス実技・論述)を受講した場合、上記の費用に加えて10,000円〜15,000円ほどの費用がかかります。また、自宅で練習するためにワイン・デキャンタ・グラス・トーション(ナプキン)などを買い揃えた場合、さらに10,000円〜20,000円ほど必要になるでしょう。

以上のことから、資格取得にかかる費用は、ソムリエの方が20,000円〜35,000円ほど高くなると考えられます。

ソムリエ資格とワインエキスパート資格、取るならどっち?

ぴのこ

きむはワインエキスパートとソムリエの両方に合格してるんだよね?どっちを取ったら良いと思う?

きむ

受験資格を満たしているなら、もちろんソムリエを取ることをお勧めするよ。ワインエキスパートの知名度も高まってきているとはいえ、やはりソムリエの方がワインのプロとしては広く認知されているし、周りからの信頼も厚いだろうからね。

しょうさん

あとは、ワインの資格取得を目指す「目的」次第でしょうね。

目的別に、ワインエキスパートとソムリエが向いている人をまとめてみましょう。

ワインエキスパート資格が向いている人ソムリエ資格が向いている人
趣味でワインに詳しくなりたい
美味しいワインを自分で選べるようになりたい
日々の食事会や飲み会のクオリティを上げたい
飲食業界への転職を考えている
接待やデートでワインの知識を活かしてもてなしたい
ワインの知識やスキルでお客様を喜ばせたい
職場でウェイターからソムリエに昇格したい
転職(キャリアアップ)の強みを身につけたい
ワインの販売・輸入・流通業で働きたい
料理人としてワインのことを知っておきたい

また、ソムリエを目指しているものの実務経験の不足により受験資格がない人は、受験資格を満たすまで待つのではなく、先にワインエキスパートを取得しておくことを強くお勧めします。ソムリエと大差ない知識が身につくうえに、将来的にソムリエ資格を受験する際に一次試験が免除されためです。

《既存有資格者の方》

過去5年間(2020年~2024年)のうちにソムリエ、ワインエキスパートに合格された方(認定登録をお済ませください)は、別呼称(ソムリエ、ワインエキスパート)を受験される場合、必ず一次試験が免除となります。

※ 免除権利がある場合、その権利を行使することが必須となります(一次または二次試験の免除権利を有する方は、一次または二次試験の受験はできません)。

引用:日本ソムリエ協会公式HP

きむ

僕も実務経験が足りなかった大学生時代に、ワインエキスパート資格を取ったよ。ホテルへの就職にとても有利に働いたし、希望したフレンチレストランへの配属にも有利だったね。その後ソムリエを取得するときに一次試験も免除されたから、すごく楽だった記憶があるよ。

まとめ

最後に、ワインエキスパート資格とソムリエ資格の違いをまとめます。

ワインエキスパートソムリエ
職業全ての職業向け飲食業界のプロ向け
知名度まだ低い(年々上昇中)高い
難易度過去5年間の平均合格率=40%過去5年間の平均合格率=32.5%
受験資格20歳以上であればOK20歳以上
※ソムリエの職務で60%以上の収入
3年(2年)以上の実務経験が必要
試験内容一次試験(筆記)
二次試験(テイスティング)
一次試験(筆記)
二次試験(テイスティング)
三次試験(実技&論述)
取得にかかる費用受験料+認定料 ※一次試験は1回受験
(一般53,850円、会員44,650円)
左記費用に加え三次試験対策費用
(20,000円〜35,000円ほど)

※ソムリエの職務
酒類・飲料を提供する飲食サービス
酒類・飲料の管理・仕入れ、輸出流通・卸、販売、製造
酒類・飲料に携わる教育機関講師
酒類・飲料に関するコンサルタント

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この記事を書いた人

・飲食店の勤務経験12年(うち、ソムリエ9年)
・日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
・C.R.D.O認定 公式ベネンシアドール
・2009年 JALUX WINE AWARD ファイナリスト

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