ワインセラーの電気代はどれくらい?種類ごとの比較や節約方法も紹介!

ワインセラーの電気代ってどれくらいなんですか?ワインセラーを買おうと思ってるんですけど、電気代がすごく高いんじゃないかって心配で…

ワインセラーの電気代が他の電化製品に比べてすごく高いというわけではないよ。ただし、種類によってかなり変わってくるから要注意だね。

今回は、ワインセラーの電気代について解説しましょう。この記事を読めば、ワインセラーの種類ごとの電気代や、電気代を節約する方法が分かりますよ!
ワインセラーの電気代は何で決まる?
ワインセラーの電気代は、主に以下の2つの要因で決まります。
- 冷却方式
- ワインセラーのサイズ
①冷却方式
ワインセラーは、冷却方式によって電気代が異なります。ワインセラーの冷却方式には、「コンプレッサー式」「ペルチェ式」「熱吸収式」の3種類があります。
それぞれの特徴とメリット・デメリットは以下です。
冷却方式 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
コンプレッサー式 | 冷蔵庫と同様、コンプレッサーを動かして冷却するタイプ | ・消費電力が少ない ・加温機能がある ・耐久性が高い ・小〜大サイズまである | ・冷却力が強い・音がやや大きい ・価格が高い |
ペルチェ式 | 温度制御を自由に行なえる半導体「ペルチェ素子」を利用したタイプ | ・振動が少なく音も静か ・価格が安い ・フロン不使用で環境に優しい ・デザイン性が高い ・コンパクト | ・冷却力が弱い ・耐久性が低い ・消費電力がやや多い ・加温機能がないものが多い ・耐久性がやや低い ・大型がない |
熱吸収式 (アンモニア方式) | 冷却ユニットにアンモニア水溶液と水素を入れ、アンモニアの気化熱を利用して冷却するタイプ | ・3つのタイプの中で最も振動が少なく音も静か ・価格が比較的安い ・基本はコンパクト ・大型もある | ・冷却力が弱い ・保湿機能がないものが多い ・加温機能がないものが多い ・消費電力が多い ・耐久性がやや低い |
最も電気代が安いのは、コンプレッサー式です。コンプレッサー式は本体価格が高くなりがちですが、消費電力が少ないため、長期的にはコストが抑えられるでしょう。
一方、ペルチェ式や熱吸収式の消費電力は、コンプレッサー式と比べて非常に高いです。本体価格は安いため購入しやすいですが、長期的にはコストが高くなってしまいます。
②ワインセラーのサイズ(収納本数)
ワインセラーのサイズ(収納本数)によっても電気代が異なります。
小さいサイズのワインセラーは庫内の体積が小さいため、冷やすのにそれほど電力を消費しません。しかし、サイズが大きいワインセラーの場合は、体積が大きい庫内を冷やすのにそれなりの電力を消費するため、電気代も高くなりがちです。
電気代をなるべく安く抑えたい方は、最低限の本数が入る小型セラーを選ぶ方が良いでしょう。
ワインセラーの電気代を比較
ワインセラーの「冷却方式」「サイズ(収納本数)」、それぞれの電気代を比較してみます。
冷却方式で比較
まずは、それぞれの冷却方式ごとに電気代を比較してみます。一つのメーカーで全ての冷却方式のワインセラーを製造しているところがないため、異なるメーカーで収納本数が同程度の機種を比較してみましょう。
画像 | 冷却方式 | 収納本数 | 年間消費電力 | 年間電気代 (目安) | |
---|---|---|---|---|---|
ブリリアント22 (ファンヴィーノ ) | ![]() | コンプレッサー式 | 22本 | 120kWh | 3,720円 |
IWC-P182A-B (アイリスオーヤマ) | ![]() | ペルチェ式 | 18本 | 499kWh | 15,469円 |
サイレントカーヴ CS32BV2 (ドメティック ) | ![]() | 熱吸収式 (アンモニア方式) | 25本 | 584kWh | 18,104円 |
似たサイズのワインセラーであるにもかかわらず、ペルチェ式や熱吸収式の電気代がダントツで高いことが分かります。もちろんメーカーによって若干の差はありますが、コンプレッサー式の電気代が最も安いことは明らかです。
サイズ(収納本数)で比較
続いて、ワインセラーのサイズ(収納本数)で、電気代を比較します。
同じメーカーの異なるサイズのワインセラーで比較しましょう。今回は「さくら製作所株式会社」のワインセラーで比較してみます。
画像 | サイズ(mm) | 収納本数 | 年間消費電力 | 年間電気代 (目安) | |
---|---|---|---|---|---|
SAB-50G-PB | ![]() | 幅380×奥行476×高さ704 | 12本 | 118kWh | 3,186円 |
SAB-90G-PB | ![]() | 幅380×奥行476×高さ1160 | 24本 | 198kWh | 5,346円 |
SAF-190G-BB | ![]() | 幅595×奥行543×高さ1235 | 65本 | 267kWh | 7,209円 |
SAF-280G-BB | ![]() | 幅595×奥行543×高さ1635 | 89本 | 325kWh | 8,775円 |
SV-155 | ![]() | 幅595×奥行680×高さ1770 | 155本 | 393kWh | 10,611円 |

65本以上のサイズになってくると、だいたい冷蔵庫1台分の年間電気代と同じくらいだね。コストとしては、ワインセラーを買う=冷蔵庫が1台増えるくらいに考えればいいかな!
ワインセラーの電気代の計算方法
ワインセラーの電気代は、以下の計算方法で算出できます。
- ワインセラーの年間消費電力を確認する
- 電力会社の電力単価を確認する
- 2つを掛け合わせる
①ワインセラーの年間消費電力を確認する
年間消費電力とは、一般的な仕様条件下(JIS規格に基づく)でワインセラーを使用した場合の1年間の消費電力です。通常は、ワインセラーの製品仕様書などに記載されています。ただし、ワインセラーの消費電電力は外気温・ドアの開閉回数・収納本数などに左右されるため、あくまで目安と考えましょう。
ちなみに、ワインセラーの仕様書には年間消費電力の他に「定格消費電力」というものが記載されている場合があります。
定格消費電力とは?
定格消費電力とは、そのワインセラーを最大出力で稼働させた場合の消費電力をさします。ワインセラーの製品仕様書などに「定格消費電力:〇〇W」などの記載があるので、確認してみてください。
ワインセラーでは、それぞれの製品にこの定格消費電力が定められおり、どんな状況下でもこの消費電力を超えないように設計されています。
ワインセラーの電気代は、定格消費電力ではなく年間消費電力で計算しましょう。
②電力会社の電力単価を確認する
次に、契約している電力会社の電力単価を確認しましょう。電力単価は電力会社によって異なり、一般的には大手の電力会社の方が新電力会社よりも高い傾向にあります。
電力単価は、電力会社から送付される検針票やインターネットのマイページなどで確認できます。
③2つを掛け合わせる
ワインセラーの年間消費電力と電力会社の電力単価を掛け合わせれば、ワインセラーの電気代が算出できます。
(例)
ワインセラーの年間消費電力:180kWh
電力会社の電力単価:36円
年間電気代=180kWh × 36円 = 6,480円
ワインセラーの電気代を節約する方法
ワインセラーの電気代を節約するには、以下の方法があります。
- ドアの開閉回数を減らす
- 直射日光が当たらない場所に設置する
- 放熱スペースを確保する
- ボトルを入れすぎない
- 契約中の電力会社やプランを見直す
①ドアの開閉回数を減らす

ワインセラーが最も電力を消費するのは、庫内を冷却する時です。ドアの開閉回数が多いとその度に庫内の温度が上がってしまい、冷却するために余計な電力が消費されます。愛するワインを手に取って眺めたい気持ちをぐっとこらえて、必要な時以外はドアを開閉しないようにしましょう。
また、ドアの開閉に伴う振動もワインの熟成にとって良いとは言えません。ワインを静かな環境で寝かせてあげるためにも、ドアの開閉回数は極力減らしたほうが良いでしょう。
②直射日光が当たらない場所に設置する
直射日光が当たる場所にワインセラーを設置すると、庫内と外部との温度差が大きくなります。そうなると、ワインセラーは庫内の設定温度を維持するために消費電力が大きくなってしまうのです。反対に、気温が低すぎる環境にワインセラーを設置した場合も、同様の理由で消費電力は大きくなります。
ワインセラーの電気代を節約するためには、ワインセラーを「直射日光の当たらない場所に設置する」「外気温が低すぎる場所には設置しない」と覚えておきましょう。
③放熱スペースを確保
ワインセラーを設置する際、放熱スペースを確保することが大切です。放熱スペースがないと庫内の温度が上がってしまい、冷却するために余計な電力を消費してしまいます。
機種によって異なりますが、一般的に必要とされるワインセラーの放熱スペースは以下です。
放熱スペース=左右20mm・奥行き50mm・高さ100mm
十分な放熱スペースが確保できない場合は、前方(ワインセラーの扉側)へ放熱するタイプのワインセラーを選ぶのも良いでしょう。
④ボトルを入れすぎない
適切な本数のボトルをワインセラーへ入れることも、有効な電気代の節約方法です。
ワインセラーにはそれぞれ、収納本数が定められています。収納本数を超えて詰め込みすぎると庫内の冷気循環が滞り、冷却効率が悪くなります。冷却効率が悪いと庫内を冷やすのに余分な電力を消費するため、電気代が高くなってしまうのです。
決められた収納本数以上のボトルをワインセラーへ入れないよう、注意しましょう。

⑤契約中の電力会社やプランを見直す
上述のように、ワインセラーの電気代は「年間消費電力 × 電力単価」です。年間消費電力はワインセラーごとに決まっているため、削れるとすれば電力単価の方になります。
一般的に東京電力や関西電力などの大手電力会社は、電力単価が高い傾向にあります。大手会社の場合、安定供給するための保証やインフラ整備への投資、災害時の迅速な対応などにかかるコストが上乗せされているためです。
一方、「しろくまぱわー」や「Looopでんき」などの新電力会社は、電力単価が安い傾向にあります。しかし、大手ほどきめ細かいサポート体制が整っていない場合もあるため、サービス内容などを十分に吟味して決めることが大切です。

電力会社を変えなくても、プランの見直しでワインセラーの電気代が節約できることもあります。まずは現在の契約プランをきちんと確認し、他のプランを調べてみるだけでも良いでしょう。
まとめ
- ワインセラーの電気代は、冷却方式やワインセラーのサイズ(収納本数)によって異なる
- コンプレッサー式は電気代が安く、ペルチェ式・熱吸収式(アンモニア方式)は電気代が高い
- コンプレッサー式の年間電気代は、大型冷蔵庫と同じくらい
- ワインセラーの年間電気代=そのセラーの年間消費電力 × 契約中の電力単価
- ワインセラーの電気代の節約方法は、「ドアの開閉回数を減らす」「直射日光の当たらない場所に設置する」「放熱スペースを確保」「ボトルを入れすぎない」「電力会社やプランを見直す」など