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神戸・元町の焼鳥【hibi】で絶品鶏料理とワイン!

少し前の話になりますが、神戸・元町の焼鳥「hibi」さんに行ってきました。そこでは、絶品鶏料理とワインのマリアージュと、お酒の飲み方を考えさせられる出来事が待っていました。

目次

神戸・元町の焼鳥「hibi」

hibiさんは、JR元町駅から徒歩1分ほどのビルにある人気の焼鳥店です。店内はカウンターメインのオープンキッチンで、テーブル席も2〜3席あります。焼鳥をはじめとする鶏料理の美味しさはもちろんのこと、グラスワインの種類が豊富で、ソムリエさんが料理に合うワインをセレクトしてくれるのも嬉しいポイントです。

hibiさんは女性の割合が非常に高いようで、満席の店内では9割が女性のお客様でした。それもそのはず、赤提灯のザ・焼鳥屋という感じではなく、スタイリッシュでお洒落な焼鳥店。焼鳥以外にもビストロで出てくるような一品料理があり、ボリュームも抑えめなので、hibiさんは間違いなく女性が好きになるお店だと思います。

お一人でカウンターに座っている女性もいました。この女性、おそらくインスタグラマーなのでしょうか。料理もワインもそっちのけでしきりに自撮りを繰り返し、店員さんにも自分の写真を撮らせていました。料理とワインがかわいそうですね…。

頭の中で、芸人「中山功太」さんの歌ネタがぐるぐる回ります。

インスタグラマーになりてえな〜♪
無駄に美意識高いだけ〜♪
無職が自撮りをあげるだけ〜♪
Amazonの欲しいものリストを載せてお礼も言わずにもらうだけ〜♪

こういう界隈の女性の「ジャケットの袖に腕を通さず、肩から羽織ってるだけ率」がかなり高いと思うのは、私だけでしょうか。

さて、偏見200%の人間観察を切り上げ、料理を選ぶことにしました。

前菜からテンションが上がる

私が伺った時期のメニューはこちらでした。

個人的におすすめするhibiさんの楽しみ方は以下です。

前菜を何品かつまむ

焼鳥おまかせ串6種と焼き野菜

美味しかった焼鳥を単品でリピート

炭水化物で〆る

この日の前菜には、「ムネのタタキ」をチョイスしました。

ムネのタタキ 生海苔のソース 本わさび添え

しっとりとしたムネのタタキに、海の香りが爽やかな生海苔のソースがよくマッチしています。鶏肉を海の食材のソースで食べることはあまりなかったので、新しい発見でした。この前菜を食べただけで、後の料理への期待が膨らみテンションが上がります。

ワインは、イタリア・ヴェネト州で造られるスパークリングワイン「コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ・ブリュット・スペリオーレ(ボルゴ・アンティコ)」をチョイスしていただきました。

ボルゴ・アンティコは、酸化防止剤を極力使用せずにワインを造る自然派の造り手さんです。フレッシュな果実味とイキイキとした酸味が心地よいです。こちらのお店は全体的に自然派のワインが多いように感じました。

コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ・ブリュット・スペリオーレ

丁寧に火入れされた激ウマ焼鳥

(火入れに時間がかかるので、早めに言ってくださいね)と言われ最初に注文しておいた、焼き野菜や焼鳥おまかせ串6種が運ばれてきます。

焼き野菜は椎茸・万願寺唐辛子・長芋をチョイスしたのですが、どれも食材自体が美味しく、火入れも完璧。万願寺唐辛子の上にかかっているのが「鶏の削り節」というあたりにも、こだわりが感じられました。

こちらの焼鳥は遠火でじっくり時間をかけて火を通している様子でした。強火の炭で火を入れた焼鳥も香ばしくて美味しいですが、こちらも肉汁が中に閉じ込められてとても美味しかったです。ムネ肉ですらモモ肉と間違えるほどのジューシーさ。

特筆すべきは、砂肝のザクザク食感とその旨味です。あまりの美味しさに、砂肝は2回もリピートしてしまいました。これはぜひ皆さんにも食べていただきたいです。

hibiさんは焼鳥の単品がないのですが、おまかせ串6種を注文した後なら単品で追加できるスタイルのようなので、まずは6種を楽しんでくださいね。

ワインはソムリエさんにお任せでチョイスしてもらいました。白ワインはドイツ・バーデン地方の「ツィアアイゼン・グートエーデル・シュタインクリューグレ2021」です。ツィアアイゼンは、バーデン地方で最注目の生産者と言っても過言ではないでしょう。

グートエーデルとは、「シャスラ」というブドウ品種のドイツ名です。シャスラはスイスワインの主要品種なのですが、スイスにおけるシャスラは比較的カジュアルで軽いワインが多いです。しかし、このツィアアイゼンのシャスラは、非常に硬いミネラル感があり、長期熟成のポテンシャルを感じさせる味わいでした。

樽熟成による香ばしい風味とコクもあるので、ささ身やムネ肉、砂肝の焼鳥と非常によく合いました。ただ、ワインはまだ飲み頃ではなかったかなという印象です。このワインとは4〜5年後に出会ってみたかったですね。

ツィアアイゼン・グートエーデル・シュタインクリューグレ2021

タレで食べるモモ焼鳥に合わせて、赤ワイン「ヒドゥン・ポスト・ナパヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨン」を出していただきました。こちらはカリフォルニアの赤ワインです。

このワインは、非常に分かりやすいチョイスでした。カリフォルニアの赤ワインはコクがあって、樽熟成や完熟ブドウ由来の甘味すら感じられるので、甘い風味の焼鳥タレと非常によく合います。

ヒドゥン・ポスト・ナパヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨン

ソムリエさんのチョイスは申し分ないのですが、ワガママを言えば、もう少しグラスワインの量が多くても良いかなと…。女性向けだからなのか、私が普段から品のない飲み方をしているからなのか分かりませんが、値段のわりにちょっと一杯の量が少なく感じられました。

お腹に余裕があったので、親子丼と漬物で〆ました。ワインも料理もクオリティが高く、非常に美味しかったです!

〆の親子丼と、こだわりのお漬物

キャバクラのおねーさんと同伴坊や

hibiさんの食事は大満足だったのですが、隣に座るお客さんについてはどうやら運がなかったようです。

食事の途中に、私の隣に若い男性と女性が座りました。男性は20代前半、女性は20代半ば〜後半くらいでしょうか。店に来た時点で、男性の方はかなり酔っているようでした。

こちらの男性、かなり声が大きかったので、意識せずとも会話が聞こえてきてしまいます。女性の方はどうやらキャバクラで働いているらしく、男性とは出勤前の同伴で来ているようでした。男性の方はおねーさんをえらく気に入っているらしく、必死にアピールしています。ただ、その言葉遣いにまったく品がない…。

二人はボトルワインを注文し、そのワインに氷を入れながら飲んでいました。ワインに氷を入れて飲まれるのはソムリエとしては悲しいことですが、夜の仕事の方にはありがちな飲み方なので100歩譲って良しとしましょう。しかし、男性の店内に響き渡る大声と下品な言葉遣いはどうにも我慢できません。

せっかくの食事の良い雰囲気が、台無しになってしまいました。

さらに、男性はおねーさんを口説くのに必死、おねーさんは出勤前にお腹いっぱいになりたくないのか、2人とも出された料理にほとんど手をつけません。カウンター上にはどんどん料理が並べられ、先に出された料理は冷めてしまっていました。

彼らにとって美味しい料理とワインはあくまで脇役。男性は口説くのが目的、女性はこの後お店で男性にお金を使わせることが目的なので、オシャレな雰囲気の中で美味しそうな料理さえ目の前に並んでいれば、それで良かったのでしょう。

酒に飲まれた坊やの哀れな末路

2人が店に入ってから1時間ほど経った頃、男性がふらふらっとトイレに立ちました。しかし、そこから20〜30分経っても男性が戻ってきません。おねーさんは痺れを切らし、トイレの様子を見にいきました。外から声をかけているようですが、男性の返事はありません。

どうやら男性は酔いつぶれて、トイレの中で寝てしまっているようでした。店の人も協力してなんとか起こされ、彼は席に連れ戻されました。

席に戻ってきたおねーさんは明らかに不機嫌そうで、男性も「いつもこんなことないのに、なんで寝てしまったんやろな〜」と必死に言い訳をしていますが、隣にいても感じる冷たい空気感。

私は心の中で(坊やだからさ…)とつぶやき、偶然にもシメの一杯で注文していた「ZAKU」を飲み干したのでした。

「坊やだからさ」

ガルマを謀殺したシャア・アズナブルがガルマの国葬の中継を酒場で視聴していた際、彼の兄ギレンが発した「諸君らが愛してくれたガルマは死んだ!何故だ!?」との芝居掛った演説に対してシャアが答えた台詞である。

名台詞の宝庫である機動戦士ガンダムの中でも最も有名な台詞の一つであり、公式非公式を問わずパロディされることも非常に多い。

親友でもあり、また、父の仇であるデギン・ソド・ザビの息子でもあったガルマを偲んだ、シャアの複雑な心情があらわれた台詞とも言える。

ピクシブ百科事典より〜

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この記事を書いた人

・飲食店の勤務経験12年(うち、ソムリエ9年)
・日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
・C.R.D.O認定 公式ベネンシアドール
・2009年 JALUX WINE AWARD ファイナリスト

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