ワインセラーとは?正しい選び方や冷蔵庫・ワインクーラーとの違いも解説!

ワインを保存するのにワインセラーって必要ですか?冷蔵庫じゃダメなのかな…。そもそもワインセラーがどんなものかよく知らないので、教えてもらえますか?

では今回は、ワインセラーとは何かについて詳しく解説しましょう。冷蔵庫との違いや、ワインセラーの正しい選び方もアドバイスしますよ!
ワインセラーとは
ワインセラーとは、ワインを保存・保管するための貯蔵庫のことです。備え付けのものから、家庭用冷蔵庫ほどの大きさの中〜大型のもの、小型のものなど様々な種類があります。
ワインセラーは、ワインショップ、ネット通販、家電量販店などで購入できます。
ワインセラーの役割
ワインセラーの役割は以下の3つです。
- ワインの品質を保つ
- ワインを適温(飲み頃の温度)に保つ
- ワインを熟成させる
①ワインの品質を保つ

ワインは非常に繊細飲み物で、温度・湿度・光・振動などの影響で味や香りが劣化してしまいます。これらのワインを劣化させてしまう要因をシャットアウトし、ワインの品質を保つのがワインセラーの役割です。
温度が高すぎる環境でワインを長期保存すると、果実味やフレッシュさが失われます。また、ワインの中に残っていた酵母が再発酵して微発泡が生じたり、それによってコルクが押し上げられて中身が吹きこぼれたりすることもあります。ワインセラーはワインにとって最適な温度を一定に保てるため、これらの劣化を防ぐことが可能です。
他にも、湿度が低すぎる環境でワインを保存すると、コルクが乾燥してボトル内へ過度に空気を通してしまい、ワインが酸化することもあります。蛍光灯の光も、ワインの風味を劣化させてしまう要因です。ワインセラー内は基本的に暗く、湿度も管理できるため、ワインにとって最適な環境と言えます。
日本ソムリエ協会が発行する「日本ソムリエ教本」によれば、ワインの理想的な保管状況は以下とされています。
【ワインの理想の保管状況】
・温度:年間を通じて12〜15℃。温度変化はできるだけ少ない方が良い
・湿度:70〜75%
・照明:光は白熱灯がベスト。必要なときのみ点灯する。LED電球も通常に販売されているものは紫外線を含まれないのでセラーの明かりには適している
日本ソムリエ協会「ソムリエ教本」より

基本的にワインセラーは上記の環境を兼ね備えているため、ワインセラーがあればワインを理想的な状況で保管できます。
②ワインを適温(飲み頃の温度)に保つ
ワインセラーは自由に温度設定ができるため、ワインを適温に保てます。適温に保てるというのは、「セラーから出してすぐに飲める適温で保存できる」ということです。
ワインの味や香りは、温度によって大きく変わります。
ワインの要素 | 温度が高い時 | 温度が低い時 |
---|---|---|
香り | 強くなる | 弱くなる |
酸味 | 穏やかになる ぼやける | 強くなる キリッと引き締まる |
が甘味 | 強くなる 甘ったるく感じられる | 控えめになる 心地よく感じられる |
渋味 | 穏やかになる 滑ら かになる | 強くなる ザラつく |
アルコール感 | 強く感じる | 控えめに感じる |
泡 | 控えめに感じる 粗く感じる | 強く感じる キメ細かく感じる |
ワインは温度が高すぎても低すぎても、本来の味わいが楽しめません。冷蔵庫だと冷えすぎますし、部屋の中に常温で置いておくのはワインの温度が高くなりすぎます。
ワインセラーがあれば、ワインが最も美味しく感じられる飲み頃温度で保存でき、セラーから出してすぐに美味しく飲めるのです。
③ワインを熟成させる
ワインは熟成によって味わいが向上するお酒です。購入したワインを寝かせて、飲み頃になるまで熟成させるのもワイン愛好家の楽しみの一つでしょう。ただ、ワインは適当に放置しておけば熟成するというものではありません。良い熟成をさせるためには、ワインにとって良い環境で長期保存することが大事です。
ワインにとって理想の熟成環境は、ワイナリーの地下にあるカーヴ(洞窟)のような、年間を通して温度が一定かつ湿度も十分で、うす暗くて振動も全くない静かな環境とされています。

しかし、個人で地下カーヴのような熟成環境を用意するのは不可能です。ワインセラーの多くは地下カーヴの環境を庫内で再現しているため、本物のカーヴとまではいかなくてもワインの長期熟成にとって良い環境が整っています。

ワインを熟成させるなら、比較的大型の高機能ワインセラーが必要だよ。小型のワインセラーは短期保存用で、ワインの長期熟成を目的に造られていないから注意が必要だね。
ワインセラーと冷蔵庫との違い

買って数ヶ月以内に飲む白ワインとかなら冷蔵庫でも良いんじゃない?って思っちゃったんだけど、ワインセラーと冷蔵庫ってそんなに違うものなんですか?
ワインセラーと冷蔵庫は、全くの別物です。
冷蔵庫 | ワインセラー | |
---|---|---|
温度 | 2〜6℃ | 12〜15℃に設定可能 |
湿度 | 10〜20% | 70〜75%に設定可能 |
中で保存するもの | ワイン以外の食材もある | ワインのみ |
ワインにとって最適な温度・湿度が設定できるワインセラーに対して、冷蔵庫は温度・湿度ともに低すぎます。特に、ワインは温度が低すぎると酒石の形成が促進されてフレッシュな酸味や旨味成分が減少してしまうため、注意が必要です。
さらに、ワインはコルクが微量の空気を通すようにできており、冷蔵庫内で保存すると食材のニオイがワインにうつってしまう危険性があります。購入して1〜2日で飲むのであれば冷蔵庫に保存しておいて問題ないでしょうが、数ヶ月以上の保存となればワインセラーで保存するのが望ましいでしょう。
ワインセラーとワインクーラーの違い
ワインセラーとよく間違えられる物に「ワインクーラー」があります。ワインクーラーとは、下の写真のような容器のことです。
ワインクーラーは、容器に氷と水を入れてワインを短時間で冷やすために使われます。レストランやパーティー会場で見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。


ワインセラーがワインを最適な環境で長期保存する目的なのに対して、ワインクーラーは短時間で冷やすことを目的としたものなのね。名前は似ているけど全く別の物だということがよく分かったわ!
ワインセラーの選び方のポイント
ワインセラーを選ぶ際は、以下のポイントをしっかり考えるようにしましょう。
- 目的・用途
- 種類(冷却方式)
- 温度機能
- 本数
- 配置・スペース
- メーカー
①ワインセラーを購入する目的・用途を考える
高級なワインを10年以上じっくり熟成させるためなのか、デイリーワインを一時的に保存するためなのかで、選ぶべきワインセラーは変わってきます。
ワインを長期熟成させるためなら、中〜大型サイズの高機能かつ多機能で、品質保証期間が長い高級ワインセラーを選ばなければなりません。一方、日常的に楽しむワインを保管しておくだけなら、小型で最低限の温度調節機能を備えているワインセラーで十分な場合もあります。
②ワインセラーの種類(冷却方式)を決める
ワインセラーを購入する目的・用途が明確になったら、次はワインセラーの種類を決めましょう。ワインセラーは冷却方式によって大きく3種類に分けられます。
- コンプレッサー式
- ペルチェ式
- 熱吸収式(アンモニア方式)
それぞれの特徴やメリット・デメリットは以下の通りです。
冷却方式 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
コンプレッサー式 | 冷蔵庫と同様、コンプレッサーを動かして冷却するタイプ | ・消費電力が少ない ・加温機能がある | ・冷却力が強い・音が大きい ・価格が高い ・中〜大サイズがメイン |
ペルチェ式 | 温度制御を自由に行なえる半導体「ペルチェ素子」を利用したタイプ | ・振動が少なく音も静か ・価格が安い ・フロン不使用で環境に優しい ・デザイン性が高い ・コンパクト | ・冷却力が弱い ・耐久性が低い ・消費電力が多い ・加温機能がないものが多い |
熱吸収式 (アンモニア方式) | 冷却ユニットにアンモニア水溶液と水素を入れ、アンモニアの気化熱を利用して冷却するタイプ | ・3つのタイプの中で最も振動が少なく音も静か ・価格が安い ・コンパクト | ・冷却力が弱い ・保湿機能がないものが多い ・加温機能がないものが多い ・消費電力が多い |
少ない本数のデイリーワインを保管するためにワインセラーを使用するなら、ペルチェ式や熱吸収式を選びましょう。音が静かでコンパクトなうえに、比較的安く購入できるため初期投資も少なくて済みます。
保管するワインが多い、またはワインを長期熟成させるためにワインセラーを使用する場合は、高機能なコンプレッサー式がおすすめです。コンプレッサー式ワインセラーの多くが、ワインの熟成にとって理想的な環境を備えています。本体価格は他のタイプに比べて高いですが、消費電力が少ないため長期的に見ればコストパフォーマンスにも優れていると言えるでしょう。

コンプレッサー式が良さそうだけど、自宅に置くことを考えると音が大きいのはちょっと心配ね…

音が大きいといっても、冷蔵庫と同じ程度の音だよ。最近のワインセラー はコンプレッサー式でも静かになってきているから、寝室に置くのでない限りそれほど気にならないと思うよ。
③ワインセラーの温度機能を確認する
ワインの保管において最も大切な温度機能。以下の機能を確認しておきましょう。
- 冷却機能の強・弱
- 加温機能の有・無
- 2温度帯タイプかどうか(=2段階温度調節機能の有・無)
冷却機能の強弱は、ワインセラーの選ぶうえで最も重要な要素です。高音の環境は、ワインにとって大敵です。1〜2日くらいの短期間の保管であればそれほど影響はありませんが、長期にわたって高温環境下に置くとワインの風味が台無しになってしまいます。
そのため、外気温が高くなる夏でも、しっかり設定温度まで冷却できるワインセラーを選ぶことが重要です。
ペルチェ式のワインセラーの多くは、冷却の限界が「外気温マイナス15℃まで」とされています。例えば、外気温が35度の場合、ペルチェ式では庫内を20℃程度までしか冷却できません。これでは、ワインの保管における適正温度12〜15℃を大きく上回ってしまいます。
暑い地域の方は、強力な冷却機能を持つコンプレッサー式ワインセラーを選ぶ方が良いでしょう。
続いて、加温機能とは、「設定温度よりも外気温の方が低くなったときでも、ヒーターで制御して設定温度を維持する機能」のことです。冬季に気温が低くなる寒冷地の方は、加温機能付きのワインセラーを選びましょう。

ペルチェ式や熱吸収式のワインセラーには、加温機能がついていないことが多いです。加温機能が必須の方は、コンプレッサー式の中から選ぶ方が選択の幅は広がりますよ。
最後に、2温度帯タイプとは「上段と下段で設定温度を変えられる機能が付いたワインセラー」のことです。一般的には、中型〜大型のワインセラーに搭載されています。
2温度帯タイプは、白ワインと赤ワインで設定温度を別にして保管したい場合や、近いうちに飲む予定があるワインを低い温度の方へ移して飲み頃温度まで下げたい時に便利です。
自宅で普通にワインを保存するだけなら、2温度帯タイプでなくても特に不便はないでしょう。飲食店で使用するワインセラーの場合は、2温度帯タイプがおすすめです。

僕が以前に働いていたレストランでは白ワイン用・赤ワイン用で計2台のワインセラーがあったよ。本数にもよるけど、2温度帯タイプならワインセラーが1台で済むから、飲食店にとっては嬉しいね。

④ワインセラーの収納本数を決める
次に、どれくらいの本数を常時保存しておきたいか、現在ワインを何本所有しているかを確認します。本数を考える際に注意すべきポイントは2つです。
- 常時保存したい本数または現在所有している本数の1.5〜2倍の収納本数のものを選ぶ
- ボトルの形次第では、メーカー記載の収納本数より少ない本数しか収納できないことを知っておく
私の周りでワインセラーを購入した人の8〜9割が、(もっと大きなセラーを買っておけば良かった…)と後悔しています。
これは、ワインセラーを購入したことで「ワイン収集の楽しさ」に目覚めてしまい、どんどんワインを集めるうちに収納しきれなくなってしまうためです。結局この方々は、より大きなセラーに買い替えたり、同じ大きさのワインセラーをもう1台買い足したりしています。そうならないように、あらかじめ収納本数に余裕をもって選ぶことをおすすめします。
次に、メーカー記載の収納本数は、一般的な「ボルドーワイン型」のボトルを想定しての本数であることに注意しなければなりません。ワインボトルの形状には、なで肩で少しふっくらしたブルゴーニュワイン型、横に広がったスパークリングワイン型、スリムで縦に長いドイツワイン型なと、様々なものがあります。
横に広いブルゴーニュ型やスパークリングワイン型のボトルばかりを収納すると、メーカー記載の本数よりも少ない本数しか収納できないため注意しましょう。

⑤ワインセラーの配置場所・スペースを確認する
ワインの機能や本数を考えると、ワインセラー のサイズが決まります。次に確認すべきは、そのサイズのワインセラーを設置できる十分なスペースがあるかどうかです。
以下のポイントを忘れずにチェックしておきましょう。
- 設置場所とスペース
- 放熱スペース
- 搬入スペース
- 凹み対策
どこに設置するかで、選ぶべきワインセラーが変わってきます。ダイニングルームに設置するのであれば多少の音や振動も気にならないため、コンプレッサー式でも問題ないでしょう。寝室や書斎など静かな場所に設置するのであれば、静音性に優れたペルチェ式や熱吸収式の方がおすすめです。
また、設置場所に十分なスペースがあるかどうかも事前に確認しておきましょう。ワインセラーによっては、放熱スペースが必要になる場合があります。寸法ギリギリではなく、余裕をもってスペースを確保しておくことが大切です。
【放熱スペースがないと、どうなる?】
ワインセラーの寿命が短くなったり、冷却機能が弱くなったりする恐れがあります。
一般的なワインセラーは、「庫内が十分に冷えたら冷却をストップし、庫内温度が上がってきたら冷却する」を繰り返しています。十分な放熱スペースがないと庫内温度が高いままになり、冷却時間が長くなります。冷却装置の稼働時間が長くなる分、ワインセラーの寿命が短くなってしまうのです。
また、冷却装置は稼働をストップしている間に「霜取り」を行なうのですが、ストップ時間が短くなると十分に霜取りできず、霜がどんどん厚くなってしまいます。冷却装置が常に毛布を被っているような状態になるため、冷却力が弱くなってしまう場合があります。
続いて、搬入スペースにも注意しましょう。通路幅やドア幅は念入りに確認する方が多いのですが、階段幅のことが頭から抜け落ちていることが多いです。ワインセラーを購入する前に、階段幅も必ず確認するようにしてください。

知り合いは、購入後に階段幅が不足してることに気づいて、結局クレーンで吊り上げてベランダから搬入することになってたよ。高額な設置搬入費用がかかってしまうから、そうならないように気をつけよう!
最後に、設置面の凹み対策が必要かどうかも確認しておきましょう。和室に設置する場合、ワインセラーの重みで畳が沈んで水平が取れないことがあるため、板材を用意するなどの対策が必要です。
フローリングであっても、ワインセラーのサイズ・重さによっては床が凹んでしまうこともあります。賃貸の家なら退去時に修復費用を請求される可能性もあるため、こちらも対策しておかなければなりません。
セラーにワインをフルで収納した場合の重さについて、購入前に販売店へ確認することをおすすめします。
⑥ワインセラーのメーカーを比較する
いよいよ最後は、どのメーカーのワインセラーを購入するか決めます。ここでは信頼と安心のワインセラーメーカーを5つ挙げておきますので、ぜひ参考にしてください。
メーカー名 | セラー画像 | 特徴 |
---|---|---|
フォルスター | ![]() | スイスの加湿冷蔵庫をベースに、日本企業が生んだワインセラー 本格派ブランドとしてワイン業界のプロからの評価が高い ワイン熟成にとって理想である「地下カーヴ」の環境を再現 省エネのインバーターコンプレッサー(夜間や冬は回転数を落として冷却)搭載モデルもあり 2温度帯タイプもあり |
ユーロカーヴ | ![]() | 世界70カ国で愛されるフランス生まれのワインセラー 世界で初めてワインセラーを作った老舗 フランスならではのおしゃれでスタイリッシュなデザイン 地下カーヴの環境を忠実に再現 コンプレッサーがセラーと分離されており、ワインに振動が伝わりにくい 2温度帯タイプもあり |
ドメティック | ![]() | スウェーデン生まれのワインセラー 90年の歴史を誇る老舗 天然の地下セラーを目指して造られている ベーシックモデル「クラシック」、2温度帯タイプ「マ・カーブ」などがある 無振動・超静音の「サイレント・カーヴ」が人気モデル |
シャンブレア | ![]() | 1983年に設立されたドイツのメーカー ヨーロッパ中の有名ホテルやレストランでプロから愛されているブランド イギリスのバッキンガム宮殿や、ドバイの7ツ星ホテル「バージ・アル・アラブ」でも採用されているほど高品質・高機能 ドイツらしい精密で堅牢なデザイン |
ファンヴィーノ | ![]() | 日本生まれのワインセラー ファンヴィーノ ブリリアントは2020年度グッドデザイン賞を受賞 比較的リーズナブルで、コストパフォーマンスが良い 放熱スペースが少なくて済む前面排気タイプや、2温度帯タイプなど幅広いラインナップ |

この5つのメーカーなら、どれを選んでも失敗はないはずです。あとは、予算・デザインの好みなどで比較して選ぶと良いですね。
まとめ
ワインセラー とは、ワインを適切な環境で保存し、味わいや香りなどの品質を保持するための貯蔵庫です。また、ワインを熟成させるうえでも、ワインセラーは最適な環境だと言えます。
これからワインを本格的に勉強したい、ワインを常に美味しい状態で飲みたい、所有するワインの本数が多くなって保管場所に困っている、子どもや孫の生まれ年のワインを大人になるまで熟成させたい、などの場合はワインセラーの購入をぜひ検討してみてください。
幸い日本では、様々なメーカーのワインセラーが手に入りますので、色々と比較検討してみるのも楽しいでしょう。
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