1年前に買ったワインがずっと置いてあるんですが、まだ飲めるか心配…。そもそもワインに賞味期限ってあるんですか?
1年も前に買ったものなら、まだ飲めるかどうか心配になりますよね。では、そんなぴのこさんのために、今回はワインの賞味期限について解説しましょう。
よろしくお願いします!
開栓後のワインの味を長持ちさせる方法や、味が落ちてしまった飲み残しワインの活用方法も紹介するで!
【結論】ワインに賞味期限はない
結論から言いますと、ワインに賞味期限はありません。手元にワインのボトルがある方は、ぜひ見てみてください。ボトルに賞味期限は記載されていないはずです。
ワインにはアルコールが含まれているため、密閉されている状態であれば腐ることはありません。
また、ワインは年月の経過と共に味が良くなると言う性質を持つお酒です(いわゆる「熟成」)。そのため、賞味期限を設定したところで意味をなさないため、ワインには賞味期限がないのです。
ただし、全てのワインが熟成によって味が良くなるわけではありません。賞味期限がないとはいえ、ワインには「飲み頃=最も美味しく飲める時期」というものがあります。
ワインの飲み頃とは?
ワインの飲み頃は、ワインのタイプによって異なります。大まかではありますが、各タイプごとの飲み頃は以下の通りです。
ワインのタイプ | 価格帯 | 飲み頃の目安 |
---|---|---|
日常的に飲む気軽なワイン | 1,000円〜2,000円 | 購入してすぐ |
軽めの白ワイン、ロゼワイン | 2,000円〜5,000円 | 購入してすぐ または生産年から1〜2年後 |
軽めの赤ワイン | 2,000円〜5,000円 | 生産年から3〜4年後 |
熟成タイプの白ワイン | 5,000円〜10,000円 (または10,000円以上) | 生産年から5〜7年後 (中には10年後のものも) |
甘口の白ワイン (貴腐ワイン、アイスワインなど) | 5,000円以上 (または10,000円以上) | 生産年から10年後 (中には20〜30年後のものも) |
熟成タイプの赤ワイン | 5,000円〜10,000円以上 (または10,000円以上) | 生産年から5〜10年後 (中には20〜30年後のものも) |
スパークリングワイン、シャンパーニュ | 10,000円以下 | 購入してすぐ |
ヴィンテージ・シャンパーニュ | 10,000円以上 | 基本的には購入してすぐだが、 5〜10年の熟成で美味しくなる場合もある |
比較的価格が安いデイリーワインは、購入してすぐ飲んでも美味しいように造られています。コンビニやスーパーで買えるような1,000円〜2,000円台のワインは、買ってすぐに飲んでしまいましょう。
毎年11月、店頭に並ぶ「ボージョレ・ヌーヴォー」の中には2,000円を超えるものもありますが、フレッシュな味わいを楽しむ「新酒」なのですぐに飲む方が良いでしょう。
10年熟成させたボージョレ・ヌーヴォーを飲む機会があったんやけど、お世辞にも美味しいとは言えへんかったな…。
軽めの白ワイン(樽熟成させておらず、軽い口当たりのタイプ)やロゼワインは、基本的に購入してすぐに飲んでも美味しいです。ただ、1〜2年寝かせておくことで酸味が落ち着き、香りも華やかになって美味しくなります。
軽めの赤ワイン(渋味が少なく、軽い口当たりのタイプ)は、3〜4年寝かせると口当たりも滑らかになって美味しくなるでしょう。
熟成タイプの白ワイン(樽熟成したシャルドネなど、コクが感じられるどっしり重たいタイプ)は、5〜7年後で飲み頃を迎えます。中にはもっと長期熟成させて味わうものもあります。
世界最高峰の白ワイン「モンラッシェ」などは、10年以上熟成させて初めてそのポテンシャルを発揮すると言われています。
モンラッシェのブドウ品種は「シャルドネ」でしたよね!
甘口の白ワイン(貴腐ワイン、アイスワインなど)は、10年以上の熟成で飲み頃を迎えます。もちろん買ってすぐでも美味しいのですが、熟成させることでトロっとした濃厚な甘味をが楽しめるワインになります。
貴腐ワインは、貴腐菌(=ボトリティス・シネレア菌)の作用でブドウの水分だけが蒸発したレーズン状のブドウから作られる、極甘口ワインのことやで。フランス・ボルドー地方の「ソーテルヌ」が有名や。
熟成タイプの赤ワイン(カベルネ・ソーヴィニヨンなど、渋味・コクがしっかりあるもの)は、5年〜10年後にやっと美味しく飲めるようになります。このようなタイプは、若いうちは渋味が強くて荒いのですが、長期熟成させることで渋味は非常に滑らかになり、香りも複雑さを増します。
赤ワインの中には、30年ほどの熟成で美味しくなるものもあります。赤ワインは長期熟成させると、ドライフルーツ・タバコの葉・腐葉土・革など、本来のブドウにはない香りが現れてきます。ワインのフレッシュなブドウの風味を楽しみたい方は、長期熟成ワインであっても早めに飲んだ方が美味しく感じられるかもしれません。
スパークリングワインやシャンパンは、基本的に購入してすぐに美味しく飲めます。ただし、ヴィンテージ・シャンパーニュ(生産年が記載された高級シャンパーニュ)に関しては、5年〜10年熟成させることでさらに美味しくなる場合があります。
開栓後のワインには賞味期限がある
ワインに賞味期限はないけど飲み頃はある、というのはよく分かりました。でもこれは未開栓の場合で、開栓後のワインだったら話は変わってきますよね?
さすがぴのこさん、良いところに気がつきましたね。開栓後のワインは、どれだけ気をつけても酸素に触れて酸化していくため、味わいが徐々に落ちていきます。開栓後のワインの賞味期限は以下の通りです。
ワインのタイプ | 開栓後の賞味期限(目安) | 理由 |
---|---|---|
白ワイン(辛口) | 2〜3日 | 酸化により酸味が強くなり、香りも弱くなる。 なるべく早いうちに飲み切る。 |
白ワイン(甘口) | 1週間 | 酸化により酸味が強くなっても、甘味が勝る。 1週間ほどは美味しく飲める。 |
赤ワイン (ライトボディ) | 2〜3日(最長5日) | 酸化により酸味が強くなり、香りも弱くなる。 なるべく早いうちに飲み切る。 |
赤ワイン (ミディアム〜フルボディ) | 1週間 | 酸素に触れて香りが開き、味わいもまろやかに。 ただし1週間以内に飲み切るべき。 |
スパークリングワイン シャンパーニュ | 翌日 | 開栓後は泡が抜けていく。 できれば当日に飲み切るのが理想。 |
フォーティファイドワイン (酒精強化ワイン) | 2週間〜1ヶ月 | アルコール度数が高く保存性に優れている。 そう簡単に味が落ちない。 |
もちろん保存方法などによって変わってきますので、上記はあくまで目安程度に考えておいてください。
開栓後のワインの賞味期限を延ばすには?
開栓後のワインの賞味期限を延ばす(味が落ちないようにする)には、できる限り空気と触れさせないことが大事です。
お手軽なのは、「バキュバン」と「専用のワインストッパー」を使用する方法です。バキュバンはボトル内の空気をポンプで吸い出す道具で、真空状態にしてワインが酸化するのを防いでくれます。
他にも、アルゴンガスを注入する方法があります。こちらはバキュバンよりも強力に酸化を防いでくれるため、ワインの味をなるべく落とさずに楽しみたい方はアルゴンガスを使用すると良いでしょう。
詳しくはワインの保存方法記事をご覧ください(記事作成予定)。
味が落ちてしまった飲み残しワインの活用方法
開けたワインを飲みきれずに放置してしまい、味が落ちてしまうこともあるでしょう。そんな飲み残しワインは、料理やワインカクテルに使うのがおすすめです。
白ワインなら、パスタや魚介の蒸し料理(アサリのワイン蒸しなど)がおすすめです。赤ワインであれば、ビーフシチューなどの煮込み料理に使うと良いですね。
ワインカクテルなら、夏はサングリアなんていかがでしょうか。それぞれおすすめのレシピを載せておきますので、ぜひ参考にしてください。
冬のワインカクテルは、ホットワインで決まりやな!
まとめ
最後に、ワインの賞味期限についてまとめます。
- ワインに賞味期限はないが、ワインのタイプごとに飲み頃はある
- ただし、開栓後のワインには賞味期限がある
- 開詮後のワインの賞味期限を延ばすには、バキュバンでボトル内の空気を抜いて酸化を防ごう
- それでも酸化して味が落ちてしまったワインは、料理やワインカクテルに使えばOK!
- 料理に使うなら、白ワインはパスタや魚介の蒸し料理に、赤ワインはお肉の煮込み料理に使おう
- ワインカクテルに使うなら、サングリアやホットワインがおすすめ!